第111回 午後 問45
公衆衛生看護活動展開論
受動喫煙に関する問題
次の文を読み45~47の問いに答えよ。
A社は、従業員1,200名のIT企業である。社内に数か所ある喫煙室について「喫煙室付近が、たばこ臭くとても不快である」と複数の社員から保健師に訴えがあった。保健師が喫煙室を巡視すると喫煙室周辺にたばこ臭が認められた。
受動喫煙を防止するために保健師が最初に行う対応で優先度が高いのはどれか。
- 1各部署の喫煙率について調査する。
- 2喫煙室の利用上の注意点を喫煙室内に貼付する。
- 3喫煙室周辺のたばこ臭について衛生委員会へ報告する。
- 4社員に対し受動喫煙の現状についてのアンケート調査を実施する。
答えと解説を見る
✓ これが正解3喫煙室周辺のたばこ臭について衛生委員会へ報告する。
解説
喫煙室周辺のたばこ臭は、まず衛生委員会へ報告して事業場で検討します。
事業場の安全衛生の課題は、事業者・産業医・衛生管理者・労働者の代表などで構成する衛生委員会で調査審議し、組織として対策を決めていく仕組みになっています。一定規模以上の事業場には衛生委員会の設置が義務づけられており、従業員1,200名のA社にも設置されています。職場における受動喫煙防止のためのガイドラインも、受動喫煙防止対策の状況を衛生委員会等の調査審議事項とするよう示しています。
保健師は社員からの訴えを受け、巡視によって喫煙室周辺のたばこ臭を自ら確認しています。喫煙室から煙が漏れている可能性があるという事実がすでに把握できているので、最初に行うべきは、この事実を衛生委員会へ報告し、設備の改善などの対策を事業場として検討してもらうことです。ほかの肢は、すでに分かっている問題への対応を後回しにするか、喫煙者の心がけに頼る対応にとどまっています。
職場で健康障害のおそれを把握したときは、まず衛生委員会という組織の場に乗せて対策を決める、と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1各部署の喫煙率について調査する。:各部署の喫煙率を調べても、喫煙室の周りにたばこ臭が漏れているという今の問題の解決にはつながりません。問題はすでに巡視で確かめられているため、まず対策を検討する場に乗せることが先です。
- 2喫煙室の利用上の注意点を喫煙室内に貼付する。:利用上の注意点を貼り出しても、喫煙者一人ひとりの心がけに頼る対応にとどまります。たばこ臭が周辺に漏れる原因が喫煙室の構造や換気にある場合、貼り紙では改善できません。
- 4社員に対し受動喫煙の現状についてのアンケート調査を実施する。:社員へのアンケートで受動喫煙の実態を調べることには意味がありますが、たばこ臭はすでに巡視で確認できています。調査を先に行うと、確かめられている問題への対策が遅れることになります。
出典:第111回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問45(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)