令和8年度上期第三種電気主任技術者試験 理論(電気技術者試験センター)問18(b)
理論
結合コンデンサに関する問題
選択肢を押すと、その場で答え合わせ。電験三種の過去問 400問を、解説つき・無料・登録不要で続けて解けます。
(選択問題)
図1のトランジスタによる小信号増幅回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,各抵抗は,RA=100 kΩ, RB=600 kΩ, RC=5 kΩ, RD=1 kΩ, Ro=200 kΩである。C₁, C₂は結合コンデンサで,C₃はバイパスコンデンサである。また,VCC=12 Vは直流電源電圧,Vbe=0.6 Vはベース-エミッタ間の直流電圧とし,vi[V]は入力小信号電圧,vo[V]は出力小信号電圧とする。
(b) 小信号増幅回路の交流等価回路は,結合コンデンサ及びバイパスコンデンサのインピーダンスを無視することができる周波数において,一般に,図2の簡易等価回路で表される。ここで,ib[A]はベースの信号電流,ic[A]はコレクタの信号電流で,この回路の電圧増幅度Av0は下式となる。また,コンデンサC₁のインピーダンスの影響を考慮するための等価回路は,RA, RB≫hieと考えられるとき,図3である。このとき,入力小信号電圧のある周波数において,図3を用いて得られた電圧増幅度が①式で示す電圧増幅度の1/√2となった。この周波数[Hz]の大きさとして,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,エミッタ接地の小信号電流増幅率hfe=120,入力インピーダンスhie=3×10³ Ω,コンデンサC₁の静電容量C₁=10 μFとする。

- 17.9
- 25.3
- 32.1
- 41.6
- 51.2
答えと解説
✓ これが正解25.3
解説
C₁のリアクタンスがhieに等しいf=1/2πC₁hie≒5.3 Hzです。
図3では、入力電圧viがコンデンサC₁と入力インピーダンスhieの直列を通ってベースの信号電流ibを流します。C₁のリアクタンスはXC=1/(2πfC₁)で、周波数が低いほど大きくなり、ibが減って電圧増幅度が下がります。①式はC₁のリアクタンスを無視できる場合の電圧増幅度です。
図3の電圧増幅度は、①式にhie/|hie-jXC|=hie/√(hie²+XC²)を掛けたものになります。hfeやRC、Roは①式と図3に共通なので、比をとると消えます。この比が1/√2になるのは√(hie²+XC²)=√2×hie、つまりXC=hieのときです。
したがって1/(2πfC₁)=hieより、f=1/(2πC₁hie)=1/(2π×10×10⁻⁶×3×10³)=1/0.1885≒5.3 Hzです。
別の方法で検算します。角周波数でω=1/(C₁hie)=1/(3×10⁻²)≒33.3 rad/s、f=ω/(2π)=33.3/6.283≒5.3 Hzとなり、同じ値です。電圧増幅度が1/√2に下がる周波数は、結合コンデンサのリアクタンスが直列のhieと等しくなる点、と覚えると求めやすくなります。
ほかの選択肢の解説
- 17.9:7.9 HzではC₁のリアクタンスが1/(2π×7.9×10×10⁻⁶)≒2.0 kΩで、hie=3 kΩより小さくなります。電圧増幅度は①式の約0.83倍で、1/√2≒0.71まで下がりません。
- 32.1:2.1 HzではC₁のリアクタンスが約7.6 kΩとhieの2倍以上になり、電圧増幅度は①式の約0.37倍まで下がります。1/√2倍になる周波数より低い側にあります。
- 41.6:1.6 HzではC₁のリアクタンスが約9.9 kΩとなり、電圧増幅度は①式の約0.29倍です。1/(2πC₁hie)の式からは出てこない値で、1/√2倍の条件を満たしません。
- 51.2:1.2 HzではC₁のリアクタンスが約13 kΩに増え、電圧増幅度は①式の約0.22倍まで小さくなります。リアクタンスがhieと等しくなる周波数ではないので、条件に合いません。
出典:令和8年度上期第三種電気主任技術者試験 理論 問18(b)(電気技術者試験センター)。1問ずつ解ける形に加工しています(B問題の共通の文と図を小問ごとに複写・図と式を問題冊子から切り出して画像で掲載・1行で書ける式を字に書き直し)。解説は当サイト独自のもので、電気技術者試験センターとは関係ありません。
同じ分野の問題
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)