令和8年度上期第三種電気主任技術者試験 理論(電気技術者試験センター)問17(a)
理論
最大磁束に関する問題
選択肢を押すと、その場で答え合わせ。電験三種の過去問 400問を、解説つき・無料・登録不要で続けて解けます。
(選択問題)
図のような環状コイルがある。正弦波交流電源の電圧実効値をE [V],周波数をf [Hz]としたとき,鉄心中の最大磁束はΦm [Wb]であった。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,鉄心の漏れ磁束はなく,鉄心の飽和やヒステリシスもないものとする。したがって,初期状態での残留磁気は0とする。
(a) 電源の周波数f [Hz]が一定で,電圧を3E [V]にしたとき,最大磁束[Wb]は,Φm [Wb]の何倍になるか。その倍率として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 11.0
- 20.11
- 30.33
- 43.0
- 59.0
答えと解説
✓ これが正解43.0
解説
E≒4.44fNΦmより最大磁束は電圧に比例し、3Eで3.0倍です。
環状コイルに正弦波の交流電圧を加えると、鉄心の磁束も正弦波で変化し、ファラデーの電磁誘導の法則e=N·dΦ/dtにより、コイルには加えた電圧と釣り合う起電力が生じます(Nはコイルの巻数)。磁束をΦ=Φm sinωtとすると、誘導起電力の最大値はNωΦm、実効値はE=NωΦm/√2=(2π/√2)fNΦm≒4.44fNΦmです。
この式をΦmについて解くとΦm=E/(4.44fN)となり、最大磁束は電圧Eに比例し、周波数fに反比例します。巻数Nは変わりません。
周波数を一定のまま電圧を3Eにすると、最大磁束は3E/(4.44fN)=3×Φmとなり、3.0倍です。鉄心の飽和がないという条件なので、比例関係がそのまま成り立ちます。
最大磁束は電圧に比例し周波数に反比例する、という関係は、変圧器の鉄心の磁束を考えるときにも同じように使えます。
ほかの選択肢の解説
- 11.0:1.0倍は、電圧を変えても最大磁束が変わらないとした場合です。E≒4.44fNΦmより、周波数と巻数が同じなら、最大磁束は電圧に比例して変わります。
- 20.11:0.11倍は1/9にあたり、最大磁束が電圧の2乗に反比例するとした値です。電圧を3倍にすれば最大磁束は減るのではなく増え、その倍率も2乗ではなく1乗の3倍です。
- 30.33:0.33倍は1/3で、電圧と最大磁束を反比例の関係と取り違えた値です。電圧を高くすると、それに釣り合う起電力を生むために磁束の変化を大きくする必要があり、最大磁束は増えます。
- 59.0:9.0倍は電圧の倍率3を2乗した値です。誘導起電力は磁束の1乗に比例するので、最大磁束も電圧の1乗に比例して3倍になります。
出典:令和8年度上期第三種電気主任技術者試験 理論 問17(a)(電気技術者試験センター)。1問ずつ解ける形に加工しています(B問題の共通の文と図を小問ごとに複写・図と式を問題冊子から切り出して画像で掲載・1行で書ける式を字に書き直し)。解説は当サイト独自のもので、電気技術者試験センターとは関係ありません。
同じ分野の問題
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)