平成27年度 春期 午前 問80
法務
電子署名法に関する記述
電子署名法に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア電子署名技術は共通鍵暗号技術によるものと規定されている。
- イ電子署名には,電磁的記録以外の,コンピュータ処理の対象とならないものも含まれる。
- ウ電子署名には,民事訴訟法における押印と同様の効力が認められている。
- エ電子署名の認証業務を行うことができるのは,政府が運営する認証局に限られる。
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✓ これが正解ウ電子署名には,民事訴訟法における押印と同様の効力が認められている。
解説
押印と同じ推定の効力を与えた法律です。
設問は電子署名法に関する記述のうち適切なものを選ばせています。この法律が置いた仕掛けは一つで、本人による一定の電子署名がされた電磁的記録について、真正に成立したものと推定するという効力を与えたことです。民事訴訟法には、本人の署名又は押印があるときは真正に成立したものと推定するという定めがあり、電子署名をそれと同じ土俵に乗せたわけです。推定という言い方には意味があります。争う側が本人のものではないと示さない限り本物として扱う、ということであって、絶対に本物と決めつけるものではありません。残りの記述は、法があえて開いたままにしたところを閉じてしまっている、という点で共通します。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア電子署名技術は共通鍵暗号技術によるものと…:電子署名技術が共通鍵暗号技術によるものと規定されている、という点が誤りです。法は特定の技術を名指ししていません。実際に使われるのは公開鍵暗号方式で、本人だけが持つ鍵で署名します。
- イ電子署名には,電磁的記録以外の,コンピュ…:電磁的記録以外の、コンピュータ処理の対象とならないものも含まれる、という点が誤りです。この法律は電磁的記録に記録された情報について行われる措置を対象と定めているので、紙のものは入りません。
- エ電子署名の認証業務を行うことができるのは…:認証業務を行えるのが政府の運営する認証局に限られる、という点が誤りです。民間の事業者も行えます。主務大臣の認定を受けられる制度は置かれていますが、その認定は任意で、独占ではありません。
この問題の用語
- 電子署名法電子署名及び認証業務に関する法律の通称です。本人の電子署名がある電子文書は、本人の意思で作られたものと推定されます。
- 認証業務電子署名の利用者が本人であることを証明する業務のこと。国が運営する認証局に限られず、民間の事業者も行うことができます。
- 公開鍵暗号配ってよい鍵と手元に隠す鍵を対にして使う暗号のやり方。同じ鍵を相手と持ち合わなくてよいので、初めての相手とも安全にやり取りできます。
- 共通鍵暗号同じ鍵を、暗号にするときにも元に戻すときにも使うやり方。鍵を知られた時点で中身が読まれるので、渡し方と保管が肝心です。
- 電磁的記録電子の方式で作られ、機器で読み取れる形の記録のことです。紙の記録と同じように、法律で保護や処罰の対象になります。
- 認証局デジタル証明書を発行し、必要になれば失効させる組織。この組織を信じられることが、証明書を信じられる土台になります。
出典:平成27年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問80
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問39:CRLに関する記述(認証局)
- 令和3年度 春期 午前 問80:電子署名法に関する記述(電子署名法)
- 平成29年度 春期 午前 問38:デジタル署名に関する問題(共通鍵暗号)
- 平成28年度 秋期 午前 問39:共通鍵暗号に関する問題(共通鍵暗号)
- 平成27年度 秋期 午前 問40:公開鍵暗号方式の暗号アルゴリズム(公開鍵暗号)
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