平成24年度 秋期 午前 問78
法務
下請代金支払遅延等防止法の問題
ユーザから請負うソフトウェア開発を下請業者に委託する場合,下請代金支払遅延等防止法で禁止されている行為はどれか。
- ア交通費などの経費については金額を明記せず,実費負担とする旨を発注書面に記載する。
- イ下請業者に委託する業務内容は決まっているが,ユーザとの契約代金が未定なので,下請代金の取決めはユーザとの契約決定後とする。
- ウ発注書面を交付する代わりに,下請業者の承諾を得て,必要な事項を記載した電子メールで発注を行う。
- エユーザの事情で下請予定の業務内容の一部が未定なので,その部分及び下請代金は別途取り決める。
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✓ これが正解イ下請業者に委託する業務内容は決まっているが,ユーザとの契約代金が未定なので,下請代金の取決めはユーザとの契約決定後とする。
解説
内容が決まったなら代金も同時に決めます。
この法律の柱は、発注のときに、書面で、代金まで決めて渡すことです。禁止されているかどうかは、下請業者が一方的に不利になる先送りかどうかで切れます。禁止に当たるのは、下請業者に委託する業務内容は決まっているのに、ユーザとの契約代金が未定であることを理由に、下請代金の取決めをユーザとの契約決定後に回すという行為です。未定なのは発注する側の事情であって、下請業者には関わりがありません。ここを許すと、仕事が終わってから代金を決める形になり、下請業者は買いたたきを断れなくなります。だからこの法律が最も防ぎたい形になるわけです。残る三つは、下請業者が承知したうえでの取決めか、決めようのない部分を後に回しただけです。ユーザから請負った仕事をさらに外へ出すときほど、もっともらしい理由が添えられていないかを疑ってください。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア交通費などの経費については金額を明記せず…:交通費などの経費について、金額を明記せず、実費負担とする旨を発注書面に記載する行為です。前もって金額を書けない性質のものは算定方法を示せばよく、書面で取り決めている以上は禁止に当たりません。
- ウ発注書面を交付する代わりに,下請業者の承…:発注書面を交付する代わりに、下請業者の承諾を得たうえで、必要な事項を記載した電子メールで発注を行う行為です。承諾があれば書面に代えられますので、紙でないことだけを理由に違法にはなりません。出題当時は下請代金支払遅延等防止法の定めでした。その後の改正で中小受託取引適正化法(取適法)となり、電子メールなどで発注の内容を示すのに相手の承諾は不要になりました。
- エユーザの事情で下請予定の業務内容の一部が…:ユーザの事情で下請予定の業務内容の一部が未定なので、その部分及び下請代金は別途取り決めるという行為です。やる中身が定まっていない以上は後で決めるほかなく、その理由と時期を書面に示せば足ります。
この問題の用語
- 請負仕事の完成を約束して引き受ける形のこと。委託先の事業所で働いても指揮命令するのは雇用主で、委託側との指揮命令関係は生じません。
- 契約当事者の合意で成立する法的な約束のこと。原則として口頭でも成立し、契約書は内容を確かめる証拠になります。
- 電子メール文書やファイルをネットワーク越しに送る仕組み。送信にはSMTP、受信にはPOP3やIMAP4というプロトコルが使われます。
出題当時の情報です(現在との違い)
下請代金支払遅延等防止法は、2026年1月の改正法施行で「中小受託取引適正化法」に改称されました(出題時は旧称)。
出典:平成24年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問78
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問45:デジタル署名に関する問題(電子メール)
- 令和7年度 秋期 午前 問44:デジタルフォレンジックスの問題(電子メール)
- 令和7年度 春期 午前 問66:準委任型が適切であるとされるもの(請負)
- 令和5年度 秋期 午前 問80(請負)
- 令和4年度 秋期 午前 問66:請負型の契約に関する問題(請負)
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