平成22年度 春期 午前 問69
技術戦略
“技術のSカーブ”の説明
“技術の S カーブ”の説明として,適切なものはどれか。
- ア技術の期待感の推移を表すものであり,黎明期,流行期,反動期,回復期,安定期に分類される。
- イ技術の進歩の過程を表すものであり,当初は緩やかに進歩するが,やがて急激に進歩し,成熟期を迎えると進歩は停滞気味になる。
- ウ工業製品において生産量と生産性の関係を表すものであり,生産量の累積数が増加するほど生産性は向上する傾向にある。
- エ工業製品の故障発生の傾向を表すものであり,初期故障期間では故障率は高くなるが,その後の偶発故障期間での故障率は低くなり,製品寿命に近づく摩耗故障期間では故障率は高くなる。
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✓ これが正解イ技術の進歩の過程を表すものであり,当初は緩やかに進歩するが,やがて急激に進歩し,成熟期を迎えると進歩は停滞気味になる。
解説
緩やかに始まり急に伸びて頭打ちになります。
技術の S カーブは、横に時間や投じた資源を、縦に技術の性能を取って描く曲線です。形の由来は三つの段階にあります。はじめは原理を探している段階なので、資源を投じても性能はなかなか伸びません。勘所がつかめると、投じた分だけ性能が伸びる時期に入ります。やがて原理の上での限界に近づき、伸びは鈍っていきます。この三段を順につなぐと、左下から右上へ寝かせた形になります。正解は、当初は緩やかに進歩し、やがて急激に進み、成熟すると停滞するという記述です。この曲線が経営の判断の道具と言われるのは、三つ目の段階に入った技術へ資源を注いでも見返りが小さいからです。伸びが鈍ってきたと読み取れたら、別の原理に立つ次の曲線へ乗り換える時期を考えることになります。似た形の曲線はほかにもあるので、形の描写から入らず、何と何の関係を表した図なのかを先に読むと取り違えません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア技術の期待感の推移を表すものであり,黎明…:ハイプサイクルの説明です。縦にとっているのは世間が寄せる期待の大きさであり、技術そのものの実力ではありません。途中に落ち込む区間があるところも、形として異なります。
- ウ工業製品において生産量と生産性の関係を表…:経験曲線の説明です。横にとるのは時間ではなく累積の生産量で、縦にとるのは生産性です。右上がりの形は似ているものの、示しているのは習熟による効率の改善になります。
- エ工業製品の故障発生の傾向を表すものであり…:バスタブ曲線の説明です。初期故障から偶発故障を経て摩耗故障へ移る故障率の推移を表しており、浴槽のような形になります。表しているのは製品の壊れやすさです。
出典:平成22年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問69
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