平成23年度 秋期 午前 問70
技術戦略
“技術のSカーブ”の説明
“技術のSカーブ”の説明として,適切なものはどれか。
- ア技術の期待感の推移を表すものであり,黎明期,流行期,反動期,回復期,安定期に分類される。
- イ技術の進歩の過程を表すものであり,当初は緩やかに進歩するが,やがて急激に進歩し,成熟期を迎えると進歩は停滞気味になる。
- ウ工業製品において生産量と生産性の関係を表すものであり,生産量の累積数が増加するほど生産性は向上する傾向にある。
- エ工業製品の故障発生の傾向を表すものであり,初期故障期間では故障率は高くなるが,その後の偶発故障期間での故障率は低くなり,製品寿命に近づく摩耗故障期間では故障率は高くなる。
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✓ これが正解イ技術の進歩の過程を表すものであり,当初は緩やかに進歩するが,やがて急激に進歩し,成熟期を迎えると進歩は停滞気味になる。
解説
緩やかに始まり急に伸び、やがて停滞します。
技術のSカーブは、名前に入っている S という字の形が、そのまま答えになっています。横に寝かせた S を思い浮かべてください。最初は寝ていて、途中で立ち上がり、上のほうでまた寝ます。縦軸に技術の進歩の度合い、横軸に時間または投じた資源を取ると、この形になります。はじめのうちは基礎的な研究の段階で、成果が見えにくく、なかなか立ち上がりません。やがて使い道が見つかると一気に実用化が進み、急に伸びます。成熟の段階に入ると伸びしろが小さくなり、進歩は停滞気味になります。ですから、当初は緩やかに進歩し、やがて急激に進歩し、成熟期を迎えると停滞気味になる、という記述が正しい説明です。四つの記述はどれも実在する曲線の説明なので、もっともらしさでは切れません。効く読み方は、縦軸が何を表しているかを一つずつ確かめることです。この曲線は一本では終わりません。今の技術が停滞に入るころ、別の技術が下から新しい立ち上がりを始めます。乗り換えの判断を誤ると、成熟した技術を磨き続けたまま追い越されます。だから技術戦略では、自分たちが曲線のどこにいるのかを測ろうとします。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア技術の期待感の推移を表すものであり,黎明…:黎明期、流行期、反動期、回復期、安定期という区分で推移を表す記述です。縦軸に取っているのは進歩の度合いではなく、その技術に寄せられる期待の大きさにあたります。
- ウ工業製品において生産量と生産性の関係を表…:生産量の累積が増えるほど生産性が上がる傾向を表す記述で、経験曲線と呼ばれます。横軸は時間ではなく累積の生産量で、測っているのは技術そのものの進み具合ではありません。
- エ工業製品の故障発生の傾向を表すものであり…:初期故障期間、偶発故障期間、摩耗故障期間で故障率が変わる様子を表す記述で、バスタブ曲線と呼ばれます。縦軸に取っているのは故障率で、進歩の度合いではありません。
出典:平成23年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問70
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