令和7年度 午後の部 問1
民事訴訟法
民事訴訟法に関する問題
民事訴訟における訴訟能力に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 訴訟能力を欠く当事者がした訴訟行為は、取り消すことができる。
イ 未成年者は、独立して法律行為をすることができる場合であっても、法定代理人によらなければ、訴訟行為をすることができない。
ウ 被告が訴訟係属中に成年被後見人になった場合には、その被告について訴訟代理人があるときを除き、訴訟手続は、中断する。
エ 当事者が訴訟能力を欠く場合には、その当事者本人を尋問することはできない。
オ 被保佐人が、相手方の提起した訴えにおいて、請求原因事実を認める旨の陳述をするには、保佐人の同意を要しない。
- 1アイ
- 2アエ
- 3イウ
- 4ウオ
- 5エオ
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✓ これが正解4ウオ
解説
ウとオが正しく、ア・イ・エは民事訴訟法の規定と違う
訴訟能力(自分で有効に訴訟行為をする資格)について、民事訴訟法の条文で判断する問題です。
アは誤りです。訴訟能力を欠く者がした訴訟行為は、取り消せる行為ではなく、そもそも効力を生じません。民事訴訟法第34条第2項は、能力を有するに至った当事者や法定代理人が追認すれば、行為の時にさかのぼって効力を生ずると定めています。イも誤りです。同法第31条は未成年者は法定代理人によらなければ訴訟行為ができないとしつつ、ただし書で、独立して法律行為をすることができる場合は例外としています。ウは正しい記述です。当事者の訴訟能力の喪失は中断事由ですが(同法第124条第1項第3号)、訴訟代理人がある間は中断しません(同条第2項)。
エは誤りです。同法第211条は、当事者本人の尋問の規定を法定代理人に準用したうえで、ただし書で当事者本人を尋問することを妨げないとしています。オは正しい記述です。同法第32条第1項により、被保佐人が相手方の提起した訴えについて訴訟行為をするには、保佐人の同意その他の授権を要しません。
したがって、正しいのはウとオです。追認で治る無効、自分が訴えられた側なら同意不要、と押さえると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アイ:アとイを選んでいますが、どちらも誤りです。能力を欠く者の訴訟行為は追認がない限り効力を生じない扱いで、取消しの問題ではありません。また営業を許された未成年者などは単独で訴訟行為ができます。
- 2アエ:アとエの組合せです。アは無効と追認の仕組みを取消しと取り違えています。エは、法定代理人の尋問の規定にただし書があり、能力を欠く当事者本人でも尋問できるので誤りです。
- 3イウ:ウは正しいものの、イが誤りです。未成年者でも、独立して法律行為をすることができる場合には法定代理人を通さずに訴訟行為ができると条文のただし書が定めています。
- 5エオ:オは正しいですが、エが誤りです。訴訟能力を欠くからといって本人尋問の対象から外れるわけではなく、条文は本人を尋問することを妨げないと明記しています。
出典:令和7年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問1(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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