令和5年度 午後の部 問5
民事訴訟法
支払督促に関する問題
督促手続に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 支払督促の申立ては、請求の目的の価額が140万円を超えるときであっても、簡易裁判所の裁判所書記官に対してすることができる。
イ 支払督促は、日本において公示送達によらないで債務者に送達することができる場合でなければ、発することはできない。
ウ 支払督促の申立てが管轄権を有しない簡易裁判所の裁判所書記官に対してされた場合には、その裁判所書記官は、管轄違いを理由に移送することができる。
エ 支払督促は、債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から30日以内にその申立てをしないときは、その効力を失う。
オ 適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額にかかわらず、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所に訴えの提起があったものとみなされる。
- 1アイ
- 2アエ
- 3イオ
- 4ウエ
- 5ウオ
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✓ これが正解5ウオ
解説
ウとオが誤り。管轄違いは却下、異議後は価額で簡裁か地裁
督促手続は、民事訴訟法の督促手続の規定で判断します。支払督促は簡易裁判所の裁判所書記官が発するもので、債務者から督促異議があれば通常の訴訟に移行します。
アは正しいです。支払督促の申立ては、請求の価額にかかわらず、簡易裁判所の裁判所書記官に対してします。イも正しく、日本において公示送達によらないで債務者に送達できる場合でなければ、支払督促を発することはできません。ウは誤りです。管轄の規定に違反する支払督促の申立ては却下しなければならないとされており、移送の扱いは置かれていません。エは正しく、債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から30日以内に申立てをしないときは、支払督促は効力を失います。オは誤りです。督促異議があると、目的の価額に従い、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなされます。価額が大きければ地方裁判所に係属することになります。
したがって誤っているのはウとオです。申立ては価額を問わず簡易裁判所の書記官へ、異議の後は価額で簡易裁判所か地方裁判所かが分かれる、という入口と出口の違いで覚えると混同しにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アイ:アとイはどちらも正しい記述です。支払督促は請求額が多くても簡易裁判所の書記官に申し立てることができ、公示送達によらずに送達できることも発付の条件として定められています。
- 2アエ:アもエも正しい記述です。仮執行宣言の申立てが可能になった時から30日以内に債権者が申し立てなければ、支払督促は効力を失うという定めがあります。
- 3イオ:オは誤りですが、イは正しい記述です。支払督促は、公示送達以外の方法で日本国内の債務者に送達できる見込みがある場合に限って発することができます。
- 4ウエ:ウとエのうちエは正しい記述です。債権者が仮執行宣言を求められるようになった後、30日の期間内に申立てをしないでいると、発せられた支払督促は失効すると定められています。
出典:令和5年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問5(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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