令和7年度 午前の部 問6
民法
復代理人に関する問題
代理に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
〔冊子の注記〕以下の試験問題については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとして、解答してください。また、第4問から第23問までの試験問題については、商法の適用は考慮しないものとして、解答してください。
ア Aの代理人であるBが、その代理権の範囲内でAのためにすることを示さずにCとの間で契約を締結した場合において、BがAのために契約を締結することをCが知ることができたときは、AC間に契約の効力が生ずる。
イ Aは、B及びCからあらかじめ許諾を得た場合には、B及びCの双方を代理してBC間の契約を締結することができる。
ウ 委任による代理人は、本人の許諾を得た場合でなければ、復代理人を選任することができない。
エ Aの代理人であるBが、Aの許諾を得て復代理人Cを選任し、Cがその代理権の範囲内でDとの間で契約を締結した場合において、CがDに対し、Aのために契約を締結することを示しただけで、自らが代理人Bによって選任された復代理人であることを示さなかったときは、AD間に契約の効力は生じない。
オ 代理権は、代理人が後見開始の審判を受けたことによって消滅する。
- 1アイ
- 2アエ
- 3イオ
- 4ウエ
- 5ウオ
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✓ これが正解4ウエ
解説
ウとエが誤り。やむを得ない事由でも復任でき、復代理人は本人の代理人
代理について、民法の代理の規定(顕名・双方代理・復代理・代理権の消滅)で判断する問題です。
アについて、民法第100条は、代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は自己のためにしたものとみなすが、相手方が代理人が本人のためにすることを知り、または知ることができたときは、本人に直接効力を生ずる規定を準用するとしています。CはBがAのために契約することを知ることができたので、AC間に効力が生じ、アは正しい記述です。イについて、第108条第1項は、当事者双方の代理人としてした行為を代理権のない者がした行為とみなしつつ、本人があらかじめ許諾した行為を除いています。BとCの双方が許諾していれば双方代理ができ、イは正しい記述です。
ウについて、第104条は、委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ復代理人を選任できないとしています。やむを得ない事由があれば許諾がなくても選任できるので、本人の許諾がなければ選任できないとするウは誤りです。エについて、第106条第1項は、復代理人はその権限内の行為について本人を代表するとしています。復代理人は本人の代理人なので、本人Aのためにすることを示せば足り、自らが復代理人であることまで示す必要はありません。エは誤りです。オについて、第111条第1項第2号は、代理人が後見開始の審判を受けたことを代理権の消滅事由としています。オは正しい記述です。したがって、ウとエの組合せが正解です。
復代理人は代理人の代理人ではなく本人の代理人である、という一点から顕名の中身も導けます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アイ:アは相手方が本人のためと知ることができたときに本人へ効力が及ぶとする第100条ただし書どおり、イは双方の事前の許諾があれば双方代理ができるとする記述で、どちらも正しいものです。
- 2アエ:エは復代理人であることの表示まで必要とする点で誤りですが、アは顕名がなくても相手方が知ることができたときは本人に効力が及ぶという正しい記述です。アではなくウと組み合わせます。
- 3イオ:イは本人双方の事前の許諾による双方代理、オは代理人の後見開始の審判による代理権の消滅で、どちらも条文どおりの正しい記述です。誤っている記述を含みません。
- 5ウオ:ウはやむを得ない事由による復代理人の選任を見落とした誤りですが、オは代理人が後見開始の審判を受けると代理権が消滅するという第111条どおりの正しい記述です。
出典:令和7年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問6(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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