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令和7年度 午前の部 問5

民法

公示による意思表示に関する問題

意思表示に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

〔冊子の注記〕以下の試験問題については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとして、解答してください。また、第4問から第23問までの試験問題については、商法の適用は考慮しないものとして、解答してください。

ア 意思表示の通知が相手方に到達したというためには、その通知が相手方の了知可能な状態に置かれることをもって足りる。

イ 契約を解除する旨の意思表示は、その通知の発信から相手方への到達までの間に表意者が意思能力を喪失したときは、その効力を生じない。

ウ 隔地者間の契約は、承諾の通知が申込者に到達したときは、承諾の通知を発した時に遡って成立する。

エ 公示による意思表示は、表意者が相手方を知らないこと又はその所在を知らないことについて過失がないときは、最後に官報に掲載した日又はその掲載に代わる掲示を始めた日から2週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなされる。

オ 公示による意思表示の公示に関する手続は、表意者の住所地の登記所の管轄に属する。

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✓ これが正解2アエ

解説

アとエが正しい。発信後の意思能力喪失は影響せず、管轄は簡易裁判所

意思表示の効力発生時期について、民法第97条・第98条と判例で判断する問題です。

アについて、民法第97条第1項は、意思表示はその通知が相手方に到達した時から効力を生ずると定めています。判例は、到達とは相手方の支配圏内に置かれ、了知可能な状態に置かれることをいい、相手方が現実に了知する必要はないとしています。アは正しい記述です。イについて、第97条第3項は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、または行為能力の制限を受けたときでも、意思表示はそのために効力を妨げられないと定めています。効力を生じないとするイは誤りです。ウについて、平成29年の民法改正により隔地者間の承諾も到達主義に統一され、契約は承諾の通知が申込者に到達した時に成立します。発信の時に遡って成立するとするウは誤りです。

エについて、第98条第3項は、公示による意思表示は最後に官報に掲載した日またはその掲載に代わる掲示を始めた日から2週間を経過した時に到達したものとみなし、表意者に過失があったときは到達の効力を生じないとしています。エは正しい記述です。オについて、第98条第4項は、公示に関する手続は、相手方を知ることができない場合は表意者の住所地の、相手方の所在を知ることができない場合は相手方の最後の住所地の簡易裁判所の管轄に属するとしています。登記所ではないので、オは誤りです。したがって、アとエの組合せが正解です。

公示による意思表示は裁判所の掲示場と官報を使う手続で、管轄は簡易裁判所、到達は2週間経過時と、三点を一組で押さえましょう。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和7年度 司法書士試験 午前の部(法務省)問5(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。

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