令和5年度 午後の部 問28
商業登記法
印鑑カードに関する問題
次の対話は、商業登記法に基づく印鑑の提出等及び電子証明書の発行の請求に関する司法書士と補助者との対話である。司法書士の質問に対する次のアからオまでの補助者の解答のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
司法書士: 登記所に提出した印鑑を紛失した場合には、印鑑の廃止をすることができます。印鑑の廃止をする場合には、印鑑の廃止の届出をする必要がありますが、どのような手続を行いますか。
補助者:ア 印鑑の廃止の届出は、廃止する印鑑を押印した書面で行うことができますが、当該印鑑に係る印鑑カードを返納すれば、当該書面に廃止する印鑑を押印しなくても、印鑑の廃止の届出をすることができます。
司法書士: それでは、少し場面を変えてみましょう。登記所に提出した印鑑ではなく、当該印鑑に係る印鑑カードを紛失してしまい、新たな印鑑カードの交付を受けたい場合には、どのような手続を行いますか。
補助者:イ まず、紛失した印鑑カードの廃止の届出をしなければならず、当該届出後に新たな印鑑カードの交付の請求をすることができ、これにより新たな印鑑カードの交付を受けることができます。
司法書士: 登記所への印鑑の提出は、電子情報処理組織を使用してすることはできますか。
補助者:ウ 印鑑の提出は、電子情報処理組織を使用してすることはできません。
司法書士: 次は、商業登記法に基づく電子証明書についてお聞きします。電子証明書の発行の請求をする場合には、書面を提出してすることができますか。
補助者:エ 電子証明書の発行の請求は、全て電子情報処理組織を使用してすることとなり、書面を提出して請求することはできません。
司法書士: 電子証明書の発行の請求は、委任による代理人によりすることができますか。
補助者:オ 委任による代理人によりすることはできません。
- 1アイ
- 2アエ
- 3イウ
- 4ウオ
- 5エオ
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✓ これが正解1アイ
解説
アとイが正しく、ウ・エ・オは印鑑と電子証明書の扱いと違う
印鑑の提出等と電子証明書は、商業登記法と商業登記規則の規定で判断します。
アは正しいです。印鑑の廃止の届出は、廃止する印鑑を押印した書面ですることができますが、商業登記規則は、印鑑カードを提示するときは押印を要しないと定めています。印鑑を紛失した場合でも、印鑑カードを示して返納する形で、押印なしに廃止の届出ができます。イは正しく、印鑑カードを紛失したときは、まずそのカードの廃止の届出をし、そのうえで新たな印鑑カードの交付を請求します。ウは誤りです。出題当時には既に、登記所への印鑑の提出を電子情報処理組織を使用してする方法も設けられており、書面に限られません。エは誤りです。電子証明書の発行の請求は、電子情報処理組織を使用する方法に限られず、申請書と電磁的記録媒体を登記所に提出する方法でもすることができます。オは誤りです。電子証明書の発行の請求は、委任による代理人によってすることもできます。
したがって正しいのはアとイです。印鑑の提出も電子証明書の請求も、オンラインと書面の両方の道があり、代理人も使える、と整理しておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2アエ:アは正しいものの、エが誤りです。電子証明書の発行請求には、オンラインのほか、申請書と必要な情報を記録した媒体を登記所に持ち込む書面での方法も用意されています。
- 3イウ:イは正しいものの、ウが誤りです。登記所への印鑑の提出は、紙の印鑑届書を出す方法だけでなく、電子情報処理組織を使って行う方法も認められています。
- 4ウオ:ウとオはどちらも誤りです。印鑑の提出はオンラインでもでき、電子証明書の発行の請求は代表者本人に限られず、委任を受けた代理人がすることもできます。
- 5エオ:エとオの組合せは両方とも誤りです。電子証明書の請求は書面の提出でもでき、また委任による代理人が請求することも認められています。
出典:令和5年度 司法書士試験 午後の部(法務省)問28(改変:1問ずつ解ける形に加工(肢の番号をそろえ、冊子の注記を各問に複写し))。解説は当サイト独自のもので、法務省とは関係ありません。
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