第38回 問題65
ソーシャルワークの基盤と専門職
次の記述のうち,社会福祉士及び介護福祉士法の制定にかかる福祉関係三審議会合同企画分科会の意見具申の内容に関するものとして,適切なものを2つ選びなさい。
- 1ボランティアの振興は不可欠なものであるが,資格の法制化が,それを阻害するものであってはならないとした。
- 2専門職のあり方では職務の標準化より専門職化を重視し,スペシャリスト,専門職者(上級ソーシャルワーカー,中級ソーシャルワーカー),準専門職者に区分した。
- 3社会福祉職員の量質両面での充実を図るため,公私の社会福祉専門職者を包括的に捉える専門職として社会福祉士(仮称)制度を提言し,処遇改善を図ろうとした。
- 4社会福祉事業従事者が専門的な教育・訓練を受け,利用者に充分な処遇を行い,またそのための適切な従事者の確保と,職務にふさわしい社会的な地位と処遇の確立が急がれる,とした。
- 5高齢化と福祉ニードへの専門的な対応,国際化と福祉専門家の養成,シルバーサービスの動向と資格制度の必要性に鑑み,法律に基づく資格制度の導入が必要であるとした。
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✓ これが正解1ボランティアの振興は不可欠なものであるが,資格の法制化が,それを阻害するものであってはならないとした。
✓ これが正解5高齢化と福祉ニードへの専門的な対応,国際化と福祉専門家の養成,シルバーサービスの動向と資格制度の必要性に鑑み,法律に基づく資格制度の導入が必要であるとした。
解説
意見具申は資格制度の必要性を示し、ボランティアを阻害しないよう求めました。
この問は、1987年(昭和62年)に社会福祉士及び介護福祉士法が制定される前段で、福祉関係三審議会合同企画分科会がまとめた意見具申の中身を問うものです。この意見具申が資格制度を必要とした理由と、資格化に当たって配慮を求めた点を押さえているかが判断の軸です。この問は適切なものを2つ選ぶ問です。
1つ目は、法律に基づく資格制度の導入が必要だとした理由についての記述です。意見具申は、高齢化と福祉ニードへの専門的な対応、国際化と福祉専門家の養成、シルバーサービスの動向と資格制度の必要性という3つの点から、福祉の専門職の資格を法律で定める必要があるとしました。高齢化への対応だけでなく、国際的に見た専門職の水準や、民間の福祉サービスの広がりも理由に挙げていたことが特徴です。
2つ目は、ボランティアとの関係についての記述です。意見具申は、ボランティアの振興は欠かせないものであり、資格を法律で定めることがボランティア活動を妨げるものであってはならないとしました。資格を持つ人だけが福祉を担うのではなく、住民の自発的な活動と専門職が共に支える形を前提にしていたといえます。
資格制度の議論には、1970年代の試案の段階から1987年の法制定までの流れがあります。1987年の意見具申は、3つの社会の変化を理由とし、ボランティアへの配慮を添えたもの、と押さえておくと、別の時期の議論と見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2専門職のあり方では職務の標準化より専門職…:専門職をスペシャリスト、上級・中級の専門職者、準専門職者に区分するという考え方は、1987年の意見具申が示した内容ではありません。意見具申の柱は、社会の変化を踏まえた資格制度の必要性でした。
- 3社会福祉職員の量質両面での充実を図るため…:公私の社会福祉専門職者を包括的に捉える社会福祉士(仮称)の制度を提言する形は、法制定より前の時期の試案の議論にみられるものです。1987年の意見具申の内容として挙げられた点ではありません。
- 4社会福祉事業従事者が専門的な教育・訓練を…:従事者の専門的な教育・訓練と、職務にふさわしい社会的地位・処遇の確立を急ぐという記述は、1987年の意見具申が資格制度の必要性として掲げた3つの観点とは異なり、意見具申の内容とはされていません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題65。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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