第38回 問題52
障害者福祉
障害者福祉の理念などに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen, N.)は,ノーマライゼーションの理念に適合しているか否かの観点から,福祉サービスの質を評価する手段として「PASS」を開発した。
- 2ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger, W.)は,デンマークにおいてノーマライゼーションの理念に基づく知的障害者福祉法の制定に尽力した。
- 3ニィリエ(Nirje, B.)は,知的障害者に一日のノーマルなリズムを提供する観点から,ノーマライゼーションの8つの原則を示した。
- 4ソロモン(Solomon, B.)は,カリフォルニアでの身体障害者の自立生活運動のリーダーとなり,障害者の生活に大きな影響を与えた。
- 5ロバーツ(Roberts, E.)は,カナダで生まれたセルフアドボカシー団体であるピープルファーストの活動に尽力した。
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✓ これが正解3ニィリエ(Nirje, B.)は,知的障害者に一日のノーマルなリズムを提供する観点から,ノーマライゼーションの8つの原則を示した。
解説
ニィリエは一日のノーマルなリズムなどノーマライゼーションの8原則を示しました。
この問は、障害者福祉の理念を形づくった人物と、その人が実際に行ったことの組み合わせを問うものです。ノーマライゼーション、自立生活運動、エンパワメント、セルフアドボカシーといった理念ごとに、中心となった人物と国・地域を結びつけて覚えているかがポイントです。
最も適切なのは、ニィリエについての記述です。スウェーデンのニィリエは、知的障害のある人にも、障害のない人と同じような暮らしの形を保障するという考えを、具体的な原則に整理しました。それがノーマライゼーションの8つの原則で、一日のノーマルなリズム、一週間のノーマルなリズム、一年のノーマルなリズム、ライフサイクルでのノーマルな経験、本人の意思や要求の尊重、異性との関係、ノーマルな経済的水準、ノーマルな環境の水準が含まれます。理念を日々の生活の具体的な場面に置き換えた点に特徴があります。
ノーマライゼーションの理念は、デンマークで法律に取り入れたバンク-ミケルセン、それを原則に整理したニィリエ、北米で理論化して評価の手段を作ったヴォルフェンスベルガー、という流れで覚えると、人物と業績を入れ替えた記述を見抜きやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1バンク-ミケルセン(Bank-Mikke…:ノーマライゼーションの観点からサービスを評価する手段としてPASSを開発したのは、北米でこの理念を理論化したヴォルフェンスベルガーです。デンマークで理念の法制化に関わったバンク-ミケルセンの業績ではありません。
- 2ヴォルフェンスベルガー(Wolfensb…:デンマークで、ノーマライゼーションの考えを盛り込んだ知的障害者福祉に関わる法律の制定に尽力したのはバンク-ミケルセンです。ヴォルフェンスベルガーは北米で活動した人物で、記述は人物を取り違えています。
- 4ソロモン(Solomon, B.)は,カ…:ソロモンは、抑圧された立場に置かれた人々への支援の中でエンパワメントの考え方を示した人物として知られています。カリフォルニアでの身体障害者の自立生活運動のリーダーではありません。
- 5ロバーツ(Roberts, E.)は,カ…:ロバーツは、カリフォルニア州バークレーでの自立生活運動の中心となった人物です。カナダで生まれたセルフアドボカシー団体のピープルファーストの活動に尽力した人物ではなく、記述は運動を取り違えています。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題52。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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