第37回 問題21
社会福祉の原理と政策
次の記述のうち,ニィリエ(Nirje, B.)が示したノーマライゼーションの考え方に基づく支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1知的障害者と知的障害児を同じ施設で生活できるように支援する。
- 2要保護児童に対しては,大規模な入所型施設で専門的なケアを提供する。
- 3障害のある成人は,同性だけで生活するように支援する。
- 4知的障害者の生活を,ノーマルな生活状態に近づけることを目指す。
- 5知的障害者の自己選択よりも,支援者の決定を優先する。
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✓ これが正解4知的障害者の生活を,ノーマルな生活状態に近づけることを目指す。
解説
ニィリエは、知的障害者の生活をノーマルな状態に近づけることを目指しました。
ノーマライゼーションは、デンマークのバンク-ミケルセンが提唱し、スウェーデンのニィリエが整理して広めた考え方です。ニィリエは、知的障害のある人の日常生活の様式や条件を、社会の主流となっている人々の生活の様式や条件にできるだけ近づけることを、ノーマライゼーションの原理としました。この問は、その原理に沿った支援はどれかで判断します。
知的障害者の生活を、ノーマルな生活状態に近づけることを目指すとする記述は、ニィリエの原理そのものなので最も適切です。
ニィリエは、この原理を具体的に示すものとして、1日・1週間・1年のノーマルなリズム、ライフサイクルに応じたノーマルな経験、本人の選択や願いの尊重、男女がともに暮らす世界での生活、ノーマルな経済水準や住環境などをあげました。成人と子どもが同じ施設で暮らすこと、大規模な入所施設、同性だけの生活、支援者の決定の優先は、いずれもこれらの原理と合いません。
ノーマライゼーションは、障害のある人を変えるのではなく、生活の条件を社会のふつうの暮らしに近づける考え方、と押さえておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1知的障害者と知的障害児を同じ施設で生活できるように支援する。:ニィリエは、年齢に応じた経験をすることをノーマルな生活の条件にあげています。成人である知的障害者と子どもである知的障害児を同じ施設で暮らすようにするのは、この考え方に沿いません。
- 2要保護児童に対しては,大規模な入所型施設で専門的なケアを提供する。:ノーマライゼーションでは、住まいの規模や環境を一般の暮らしの水準に近づけることが求められます。大規模な入所型施設で生活させる方向は、この考え方と逆になります。
- 3障害のある成人は,同性だけで生活するように支援する。:ニィリエは、男女がともに暮らす世界での生活をノーマルな条件の一つにあげました。障害のある成人を同性だけで生活させることは、この原理に反します。
- 5知的障害者の自己選択よりも,支援者の決定を優先する。:ニィリエの原理では、本人の選択や願い、要求が尊重されることが重視されています。支援者の決定を本人の自己選択より優先させることは、これに反します。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題21。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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