第37回 問題67
ソーシャルワークの基盤と専門職
事例を読んで,被保護者との関係に苦慮するA現業員に対する査察指導員B(社会福祉士)のスーパービジョンの助言として,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
C福祉事務所の査察指導員Bは,生活保護を担当して1年目のAから,単身世帯のDさん(70歳)への対応について相談を受けた。Aによると,Dさんは,Dさんの誤解によるトラブルから近隣とのつきあいはほとんどなく,買い物以外は家に閉じこもっている。私(A)が訪問すると毎回のように「あなたも近所の人たちと同じだ。あなたの話もわからない。福祉は困っている人を助けるためにあるはずだ。なのに,なぜ,もっと自分を助けてくれないのか」と言われる。内容を尋ねるも具体的なことはわからず,どのように応答してよいのか困っているとのことであった。
- 1「家庭訪問でのDさんとのやりとりを振り返ってみましょう」
- 2「話し相手がいる近隣のサロンを紹介すると伝えてみましょう」
- 3「日頃の生活をご近所の方々に尋ねることについてDさんから了解を得てください」
- 4「他の事例を適用してDさんへの対応を検討してみましょう」
- 5「生活保護担当者としての業務と役割について,一緒に確認してみましょう」
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✓ これが正解1「家庭訪問でのDさんとのやりとりを振り返ってみましょう」
✓ これが正解5「生活保護担当者としての業務と役割について,一緒に確認してみましょう」
解説
やりとりの振り返りと、業務と役割の確認を一緒に行う助言が適切です。
2つ選ぶ問です。福祉事務所の査察指導員は、現業員(ケースワーカー)の指導監督を行う職員で、スーパービジョンを担います。スーパービジョンには、知識や技術を伝える教育的機能、スーパーバイジーを心理的に支える支持的機能、業務が組織の方針に沿って行われるよう確かめる管理的機能があります。事例の決め手は、担当1年目のAが、Dさんから強い言葉を受け、内容を尋ねても具体的なことがわからず、どう応答してよいか困っていることです。
適切な一つ目は、家庭訪問でのDさんとのやりとりを振り返ってみようという助言です。Aが実際にどう関わり、Dさんが何に反応したのかを一緒に振り返ることで、A自身が気付きを得て、Dさんの言葉の背景にある思いを考える手がかりが得られます。これは教育的・支持的な機能を果たす助言です。適切な二つ目は、生活保護担当者としての業務と役割について一緒に確認してみようという助言です。もっと助けてほしいというDさんの訴えに対し、現業員として何ができ、何をすべきかを整理することは、Aが迷わずに応答するための土台となり、管理的機能にもあたります。
見分け方は、スーパービジョンはスーパーバイジーの気付きと成長を支えるものなので、一緒に振り返る・一緒に確認する助言を選び、答えを外から当てはめる助言や、クライエントへの具体策を先に指示する助言を外すことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2「話し相手がいる近隣のサロンを紹介すると伝えてみましょう」:Dさんは近隣とのトラブルで付き合いを避けており、Aとの関係もまだ築けていません。この段階でサロンの紹介を勧めるのは、Dさんの思いをつかむ前に解決策を指示するもので、Aの困りごとへの支援にもなっていません。
- 3「日頃の生活をご近所の方々に尋ねることについてDさんから了解を得てください」:近隣の人々とDさんの間には誤解によるトラブルがあり、近所の方々に日頃の生活を尋ねることはDさんの不信を深めるおそれがあります。Aが応答に困っているという課題に向き合う助言にもなっていません。
- 4「他の事例を適用してDさんへの対応を検討してみましょう」:他の事例をそのまま当てはめてDさんへの対応を考えるのは、一人ひとりの状況に応じて関わる個別化の考え方に反します。Dさん固有の思いや背景を理解する視点が抜けてしまいます。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題67。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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