第37回 問題22
社会福祉の原理と政策
「持続可能な開発目標」(SDGs)がターゲットとしている「極度の貧困」の参照基準として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ラウントリー(Rowntree, B.S.)が貧困調査で使用した「第1次貧困」
- 2経済協力開発機構(OECD)で使用される「相対的貧困率」
- 3国連開発計画(UNDP)で使用される「人間開発指数」
- 4世界銀行で使用される「国際貧困線」
- 5タウンゼント(Townsend, P.)が貧困調査で使用した「相対的剥奪指標」
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✓ これが正解4世界銀行で使用される「国際貧困線」
解説
SDGsの極度の貧困は、世界銀行の国際貧困線を参照基準としています。
持続可能な開発目標(SDGs)は、2015年に国連で採択された2030年までの国際目標で、その目標1は、あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせることです。ターゲット1.1は、2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困を、あらゆる場所で終わらせることを掲げています。この問は、この極度の貧困を測る基準が何かで判断します。
この1日1.25ドルという線は、世界銀行が各国の物価の違いを調整したうえで定めた国際貧困線で、その後も物価の変化などに応じて改定されています。したがって、極度の貧困の参照基準は、世界銀行で使用される国際貧困線とする記述が最も適切です。
ほかの指標は、貧困の別の側面を捉えるものです。ラウントリーの第1次貧困はヨーク市の調査での基準、相対的貧困率は社会の中での相対的な貧しさを測る指標、人間開発指数は国の開発の度合いを測る指標、相対的剥奪指標はその社会で当たり前の生活から外れている度合いを捉える指標です。
世界全体の極度の貧困は絶対的な基準である国際貧困線、先進国の中での貧困は相対的貧困率、と使われる場面で区別しておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ラウントリー(Rowntree, B.S.)が貧困調査で使用した「第1次貧困」:ラウントリーの第1次貧困は、ヨーク市の調査で、総収入が肉体の維持に必要な最低限の支出にも足りない状態を示したものです。一都市の調査の基準で、SDGsの国際的な参照基準ではありません。
- 2経済協力開発機構(OECD)で使用される「相対的貧困率」:相対的貧困率は、等価可処分所得の中央値の半分に満たない人の割合で、その社会の中での相対的な貧しさを測る指標です。世界共通の絶対的な線で測る極度の貧困とは異なります。
- 3国連開発計画(UNDP)で使用される「人間開発指数」:人間開発指数は、健康・教育・所得の側面から国ごとの開発の度合いを測る指標です。個人が極度の貧困にあるかどうかを線引きする基準ではありません。
- 5タウンゼント(Townsend, P.)が貧困調査で使用した「相対的剥奪指標」:タウンゼントは、その社会で普通とされる暮らしや活動にどれだけ参加できていないかを指標にして貧困を測りました。社会ごとに変わる相対的な物差しで、世界共通の極度の貧困の線とは違います。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題22。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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