第37回 問題12
心理学と心理的支援
認知行動療法に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1不安を「生の欲望」と捉え,不安にとらわれずに行動するよう指導する。
- 2クライエントが記憶や夢などを語る自由連想法が用いられる。
- 3抑圧されていることによって,対象者が気づいていない無意識への気づきを促す。
- 4不適応を生み出している行動や思考を,適応的なスタイルに変化させるように働きかける。
- 5クライエントの行動に焦点を当てて,強化因子を用いて介入するため,感情面の変化は目標としない。
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✓ これが正解4不適応を生み出している行動や思考を,適応的なスタイルに変化させるように働きかける。
解説
認知行動療法は、不適応な行動や思考を適応的に変える働きかけです。
認知行動療法は、物事の受け止め方(認知)と行動に働きかけて、気分や問題の改善を図る心理療法です。出来事そのものよりも、その出来事をどう受け止めるかが気分や行動に影響すると考え、偏った考え方や不適応な行動のパターンを、クライエントと一緒に見直していきます。この問は、認知行動療法の考え方と、他の心理療法の特徴を区別できるかで判断します。
不適応を生み出している行動や思考を、適応的なスタイルに変化させるように働きかけるとする記述は、認知行動療法の中心的な考え方そのものなので、最も適切です。
ほかの記述は、別の療法の特徴です。不安を生の欲望と捉え、とらわれずに行動するよう導くのは森田療法です。自由連想法を用い、抑圧された無意識への気づきを促すのは、フロイトに始まる精神分析療法の特徴です。行動だけに焦点を当てて強化を用いる介入は行動療法の考え方に近いものですが、認知行動療法は感情面の変化も目標に含めています。
認知と行動の両方に働きかけるのが認知行動療法、無意識を扱うのが精神分析、生の欲望が森田療法、と結びつけて覚えると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1不安を「生の欲望」と捉え,不安にとらわれずに行動するよう指導する。:不安を生の欲望の表れと捉え、不安はそのままにして目の前の行動に取り組むよう導くのは、森田正馬が創始した森田療法の考え方です。認知行動療法の説明ではありません。
- 2クライエントが記憶や夢などを語る自由連想法が用いられる。:思い浮かぶことを自由に語ってもらう自由連想法は、フロイトが始めた精神分析で用いられる技法です。認知行動療法の技法ではありません。
- 3抑圧されていることによって,対象者が気づいていない無意識への気づきを促す。:抑圧されて本人が気づいていない無意識の内容を意識化していくのは、精神分析療法の目指すところです。認知行動療法は、今の考え方や行動に焦点を当てます。
- 5クライエントの行動に焦点を当てて,強化因子を用いて介入するため,感情面の変化は目標としない。:認知行動療法は行動だけでなく認知にも働きかけ、その結果として不安や落ち込みなどの感情が和らぐことも目標にしています。感情面の変化を目標にしないとする点が誤りです。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題12。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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