第37回 問題7
心理学と心理的支援
次の記述のうち,エピソード記憶の事例として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1暗算をする際に,途中の計算結果を覚えておきながら計算を進めた。
- 2相手の電話番号を聞いて,携帯電話に登録するまで覚えていた。
- 3カナダは北アメリカ大陸にある国だと覚えていた。
- 4昔,練習して乗れるようになった自転車に,今でもうまく乗ることができた。
- 5昨日の晩御飯にとんかつを食べたことを思い出した。
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✓ これが正解5昨日の晩御飯にとんかつを食べたことを思い出した。
解説
昨日の晩御飯を思い出すのは、エピソード記憶の例です。
記憶は、保っておく時間の長さや中身の種類によって分けられます。この問は、それぞれの場面がどの種類の記憶にあたるかで判断します。
エピソード記憶は、いつ・どこで・何をしたかという、自分が体験した出来事についての記憶で、長期記憶の一つです。昨日の晩御飯にとんかつを食べたことを思い出すのは、特定の日時に自分が経験した出来事を思い出しているので、エピソード記憶の典型的な例といえます。
ほかの場面は、別の種類の記憶にあたります。暗算の途中の結果を覚えながら計算を進める働きは作動記憶(ワーキングメモリ)、電話番号を登録するまでの短い間だけ覚えておくのは短期記憶です。国の位置のような、覚えた日時と結びつかない一般的な知識は意味記憶、練習して身についた自転車の乗り方は手続き記憶と呼ばれます。
いつ・どこでという体験の記憶がエピソード記憶、知識は意味記憶、技能は手続き記憶、と区別しておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1暗算をする際に,途中の計算結果を覚えておきながら計算を進めた。:計算の途中の数を頭に置いたまま次の計算に使うのは、情報を一時的に保ちつつ作業に使うワーキングメモリの働きです。過去に体験した出来事を思い出す記憶ではありません。
- 2相手の電話番号を聞いて,携帯電話に登録するまで覚えていた。:電話番号を携帯電話に登録し終えるまでのわずかな間だけ頭にとどめておくのは、短い時間だけ情報を保つ短期記憶の例です。過去の体験の記憶ではありません。
- 3カナダは北アメリカ大陸にある国だと覚えていた。:カナダの位置のように、いつ覚えたかと結びつかない事実や知識の記憶は意味記憶です。自分が体験した出来事の記憶ではないので、エピソード記憶にはあたりません。
- 4昔,練習して乗れるようになった自転車に,今でもうまく乗ることができた。:自転車の乗り方のように、繰り返しの練習で身につき、意識しなくても使える技能の記憶は手続き記憶です。言葉で思い出す出来事の記憶とは種類が異なります。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題7。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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