第36回 問題113
ソーシャルワークの理論と方法
事例分析の対象を手段的事例と固有事例に分けたとき,手段的事例の例として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ソーシャルワーカーが担当しているクライエントの支援において,今後の方向性を考えるために,クライエントと共に事例分析をした。
- 2新人のソーシャルワーカーが担当しているクライエントの支援過程について,指導的立場のソーシャルワーカーと一緒に,事例分析をした。
- 3ソーシャルワーカーが担当している事例で,支援結果が良好なものがあったので,その要因を明らかにするため,事例分析をした。
- 4ソーシャルワーカーが担当している事例で,複雑な問題を抱え支援が困難なクライエントがおり,事例分析をした。
- 5ソーシャルワーカーが担当している地区で,高齢者から振り込め詐欺に関する相談が頻繁にあるため,研修を目的とした事例分析をした。
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✓ これが正解5ソーシャルワーカーが担当している地区で,高齢者から振り込め詐欺に関する相談が頻繁にあるため,研修を目的とした事例分析をした。
解説
研修を目的に詐欺相談の事例を分析するのは手段的事例の例です。
この問は、事例研究で扱う事例を、固有事例と手段的事例に分ける考え方で判断します。固有事例とは、その事例そのものに関心があり、その事例をよく理解したり、その人への支援を考えたりするために分析する事例です。手段的事例とは、ある事例を手がかりにして、その事例を超えたより一般的な課題や問いを理解するために分析する事例です。つまり、事例が目的なのか、それとも別の目的のための手段なのか、という違いです。
高齢者からの振り込め詐欺に関する相談が地区で頻繁にあるため、研修を目的として事例分析をした、という場面では、個々の相談者への支援方針を決めることではなく、同じような相談に対応するための知識や視点を職員が身につけることが目的です。事例は、研修という別の目的を達成するための手段として使われているので、手段的事例に当たります。
ほかの場面は、いずれも担当しているクライエントや事例そのものの理解や支援のために分析しているので、固有事例の例です。見分け方は、分析の結果をその事例の当事者に返すのか、それとも事例を超えた学びや一般的な理解に生かすのかを確かめることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ソーシャルワーカーが担当しているクライエ…:担当するクライエントの今後の支援の方向性を考えるための事例分析は、その事例そのものの理解と支援が目的なので、固有事例の例です。
- 2新人のソーシャルワーカーが担当しているク…:新人と指導的立場のソーシャルワーカーが、担当しているクライエントの支援過程をともに振り返る分析は、その事例の支援をよりよくすることが目的なので、固有事例に当たります。
- 3ソーシャルワーカーが担当している事例で,…:支援結果が良好だった事例の要因を明らかにする分析も、まずはその事例自体でなぜうまくいったかを理解することに関心が向いているため、固有事例として分析しています。
- 4ソーシャルワーカーが担当している事例で,…:複雑な問題を抱え支援が困難なクライエントの事例分析は、そのクライエントへの支援の手がかりを探すことが目的です。事例そのものに関心がある固有事例の例です。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題113。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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