第36回 問題60
障害者福祉
事例を読んで,V相談支援事業所のK相談支援専門員がこの段階で紹介する障害福祉サービスとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Lさん(30歳,統合失調症)は,週1回の精神科デイケアを利用している。Lさんは,過去に何度かアルバイトをしたことはあるが,症状の再燃により,短期間で辞めていた。最近になって,症状が改善し,生活リズムも安定したことから,将来を見据えて一般就労を希望するようになった。ただし,自分の能力や適性がわからないため,不安が強い。Lさんの相談を受けたK相談支援専門員は,障害福祉サービスを紹介することにした。
- 1就労継続支援A型
- 2就労継続支援B型
- 3就労移行支援
- 4就労定着支援
- 5職場適応援助者(ジョブコーチ)
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✓ これが正解3就労移行支援
解説
一般就労を望み適性を知りたいLさんには、就労移行支援が適切です。
この事例は、相談を受けた相談支援専門員がアセスメントを踏まえて、利用するサービスを紹介する段階です。決め手はLさんの三つの様子です。症状が改善して生活リズムも安定したこと、将来を見据えて一般就労を希望するようになったこと、そして自分の能力や適性がわからないため不安が強いことです。
就労移行支援は、障害者総合支援法の訓練等給付の一つで、就労を希望する障害者に、一定の期間(標準は2年)、生産活動などの機会を通じて、就労に必要な知識や能力を高める訓練を行います。事業所での作業や職場実習を通じて自分の得意なことや向いている仕事を確かめながら、求職活動や職場探しの支援も受けられます。一般就労を目指しつつ、能力や適性がわからないという不安を抱えるLさんの今の段階に合うサービスです。
見分け方として、就職の前に訓練するのが就労移行支援、雇用が難しい人の働く場が就労継続支援、就職した後の支えが就労定着支援、と時期と目的で並べて覚えましょう。
出題当時の障害者総合支援法には、就労の前に適性を評価する専用のサービスはありませんでした。現在は2025年10月1日から、短期間の生産活動などを通じて就労に関する適性や能力の評価、意向の整理を行う就労選択支援という障害福祉サービスが始まっています。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1就労継続支援A型:就労継続支援A型は、通常の事業所に雇用されることが難しい人に、雇用契約を結んで働く場を提供するサービスです。一般就労に向けて能力や適性を確かめる訓練の場とは目的が違います。
- 2就労継続支援B型:就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに生産活動の機会を提供するサービスで、一般就労が難しい人の働く場です。一般就労を目指し始めたLさんの今の希望には合いません。
- 4就労定着支援:就労定着支援は、就労移行支援などを利用して一般就労した人が職場に定着できるよう、連絡調整や相談を行うサービスです。まだ就職していないLさんが使う段階ではありません。
- 5職場適応援助者(ジョブコーチ):職場適応援助者(ジョブコーチ)は、職場に出向いて仕事への適応を助ける支援で、障害者雇用促進法などの雇用施策に位置づくものです。障害福祉サービスではなく、就職前のLさんの段階にも合いません。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題60。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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