第36回 問題24
社会福祉の原理と政策
日本の貧困に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1日本の2010年代における「貧困率」は,経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均を大きく下回っている。
- 2「2019年国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)によれば,子どもがいる現役世帯の世帯員の「貧困率」は,「大人が二人以上」の世帯員よりも「大人が一人」の世帯員の方が高い。
- 3「2019年国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)によれば,子どもの「貧困率」は10%を下回っている。
- 4「平成29年版厚生労働白書」によれば,高齢者の「貧困率」は,子どもの「貧困率」に比べて低い。
- 52018年(平成30年)の時点で,生活保護世帯に属する子どもの大学進学率は60%を超えている。(注) ここでいう「貧困率」とは,等価可処分所得が中央値の半分に満たない世帯員の割合(相対的貧困率)を指す。
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✓ これが正解2「2019年国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)によれば,子どもがいる現役世帯の世帯員の「貧困率」は,「大人が二人以上」の世帯員よりも「大人が一人」の世帯員の方が高い。
解説
子どもがいる現役世帯の貧困率は、大人が一人の世帯員の方が高いです。
この問の貧困率は、設問の注にあるとおり、世帯の可処分所得を世帯の人数で調整した等価可処分所得が、その中央値の半分に満たない人の割合(相対的貧困率)です。統計の問は、出題当時に公表されていた調査や白書の数字で判断します。
2019年国民生活基礎調査の概況では、子どもがいる現役世帯の世帯員の貧困率を、大人が一人の世帯と大人が二人以上の世帯に分けて示しています。大人が一人の世帯、つまりひとり親世帯などの貧困率は、大人が二人以上の世帯を大きく上回っており、ひとり親世帯の経済的な厳しさが表れています。したがってこの記述が最も適切です。
ほかの記述は、いずれも数字の大小が逆になっています。日本の貧困率はOECD加盟国の平均より高い水準にあり、2019年の調査で子どもの貧困率は10%を上回っていました。平成29年版厚生労働白書では、高齢者の貧困率は子どもの貧困率より高く示されています。生活保護世帯の子どもの大学等への進学率は、全体の進学率より低く、60%には届いていません。
見分け方は、ひとり親世帯の貧困率の高さを日本の貧困の特徴として押さえ、日本の貧困率は国際的に見ても低くない、と方向で覚えておくことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1日本の2010年代における「貧困率」は,…:2010年代の日本の相対的貧困率は、OECD加盟国の平均を上回る水準にありました。平均を大きく下回っているという説明は、大小の向きが逆になっています。
- 3「2019年国民生活基礎調査の概況」(厚…:2019年国民生活基礎調査の概況で示された子どもの貧困率は、10%を上回る水準でした。10%を下回っているという説明は、公表された結果と合いません。
- 4「平成29年版厚生労働白書」によれば,高…:この白書が示した年齢層ごとの比較では、高齢者の層の方が子どもの層より貧困の割合が上回っていました。高齢者の方が低いとするのは関係を取り違えています。
- 52018年(平成30年)の時点で,生活保…:生活保護世帯に属する子どもの大学等への進学率は、全世帯の進学率と比べて低い水準にあり、2018年の時点で60%には届いていませんでした。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題24。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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