第61回 午前 問43
理学療法治療学
廃用症候群に関する問題
術後廃用症候群と予防の組合せで正しいのはどれか。
- 1筋萎縮 ベッド上ポジショニング
- 2骨萎縮 弾性ストッキング
- 3関節拘縮 下肢外転枕
- 4静脈血栓症 ティルトテーブル〈斜面台〉立位
- 5起立性低血圧 ヘッドアップ〈ギャッチアップ〉座位
答えと解説を見る
✓ これが正解5起立性低血圧 ヘッドアップ〈ギャッチアップ〉座位
解説
起立性低血圧はヘッドアップ座位で予防します。
術後に長く寝たままでいると、筋萎縮、骨萎縮、関節拘縮、静脈血栓症、起立性低血圧など、体のあちこちに廃用症候群が起こります。それぞれの症状には、原因に応じた予防の方法があり、この問は症状と予防の方法が正しく対応している組合せを選ぶ問題です。
起立性低血圧は、長く横になっていたために、体を起こしたときに血圧を保つ調節がうまく働かなくなる状態です。予防には、ベッドの背を少しずつ上げるヘッドアップ座位で、頭を高くした姿勢に体を慣らしていくことが基本になります。角度を少しずつ大きくし、座っていられる時間を延ばすことで、血圧を保つ働きを取り戻していきます。ほかの組合せは、症状とは別の問題に対する予防の方法を組み合わせたものです。
したがって、起立性低血圧とヘッドアップ座位の組合せが正しい答えです。廃用症候群の予防は、何が衰えたかを考え、その働きを使う方法を選ぶ、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1筋萎縮 ベッド上ポジショニング:筋萎縮は筋を使わないことで起こるので、予防には筋を収縮させる運動が必要です。ベッド上のポジショニングは、関節拘縮や褥瘡を防ぐための方法であり、筋萎縮を防ぐ手段ではありません。
- 2骨萎縮 弾性ストッキング:骨萎縮は、骨に体重や筋の力がかからないことで進みます。予防には立位などで骨に荷重をかけることが大切です。弾性ストッキングは静脈血栓症の予防に使います。
- 3関節拘縮 下肢外転枕:関節拘縮の予防には、関節を動かす関節可動域運動が基本です。下肢外転枕は、人工股関節置換術の後などに脚を開いた位置に保って脱臼を防ぐための道具です。
- 4静脈血栓症 ティルトテーブル〈斜面台〉立位:静脈血栓症の予防には、足首を動かす運動や弾性ストッキング、早い時期の歩行などが用いられます。ティルトテーブル立位は、起立性低血圧への対応や骨への荷重に使う方法です。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問43(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)