第60回 午後 問88
臨床医学
神経ブロックで正しいのはどれか。
- 1三叉神経痛の治療に硬膜外ブロックを行う。
- 2星状神経節ブロックの合併症に嗄声がある。
- 3ボツリヌス毒素の作用部位は筋内神経である。
- 4ボツリヌス毒素注射の効果持続期間は約3日である。
- 5ボツリヌス毒素注射はLambert-Eaton症候群に適応がある。
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✓ これが正解2星状神経節ブロックの合併症に嗄声がある。
解説
星状神経節ブロックの合併症として、嗄声が知られています。
神経ブロックは、神経やその周りに局所麻酔薬などを注射して、痛みや異常な神経の働きを一時的に止める治療です。どの神経をブロックし、何の病気に使い、どんな合併症があるかを組で覚えるのが判断の軸です。
星状神経節は、首の付け根にある交感神経の節で、ここをブロックすると顔や腕の血流が増え、痛みの治療などに用いられます。星状神経節の近くには、声帯を動かす反回神経が通っているため、薬が広がって反回神経まで麻痺すると、声がかすれる嗄声が起こることがあります。したがって、合併症に嗄声があるという記述が正しいものです。
ほかの記述は誤りです。三叉神経痛には三叉神経やその枝へのブロック、ボツリヌス毒素は神経筋接合部で働き、効果はおよそ数か月続きます。Lambert-Eaton症候群は、ボツリヌス毒素の注射が禁忌とされる病気です。
星状神経節ブロックでは、近くを通る神経への影響として嗄声や、まぶたが下がるなどの所見が出ることがある、と位置関係と合わせて覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1三叉神経痛の治療に硬膜外ブロックを行う。:三叉神経痛は顔に電気が走るような痛みが出る病気で、神経ブロックを行うときは三叉神経やその枝に対して行います。硬膜外ブロックは脊髄の周りに薬を入れる方法で、顔の痛みの治療ではありません。
- 3ボツリヌス毒素の作用部位は筋内神経である。:ボツリヌス毒素は、神経の末端から筋へ信号を伝えるアセチルコリンの放出を止める毒素です。作用する場所は神経と筋のつなぎ目である神経筋接合部で、筋内の神経そのものではありません。
- 4ボツリヌス毒素注射の効果持続期間は約3日である。:ボツリヌス毒素注射の効果は、注射後数日から現れ、およそ数か月続きます。効果が切れると神経の末端が新しく伸びて信号が戻るため、通常は数か月ごとに注射を繰り返します。
- 5ボツリヌス毒素注射はLambert-Eaton症候群に適応がある。:Lambert-Eaton症候群は、神経の末端からのアセチルコリンの放出が減って筋力が落ちる病気です。ボツリヌス毒素は同じ放出をさらに止めるため、全身性の神経筋接合部の障害として注射は禁忌とされています。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問88(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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