第60回 午後 問79
臨床医学
無意識のなかに抑え込まれた欲動が精神症状として現れると想定し、その葛藤を明らかにすることによって症状の改善を目指すのはどれか。
- 1支持的精神療法
- 2精神分析療法
- 3認知行動療法
- 4森田療法
- 5来談者中心療法
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✓ これが正解2精神分析療法
解説
抑圧された葛藤を明らかにして改善を目指すのは、精神分析療法です。
精神療法には、もとになる理論の違いによっていくつもの種類があり、何を原因と考え、どう働きかけるかで見分けます。この問いは、無意識に抑え込まれた欲動が症状として現れると考え、その葛藤を明らかにすることで改善を目指す方法を問うています。
これはFreudが始めた精神分析の考え方そのものです。精神分析療法では、自由連想法などを用いて、患者が思い浮かんだことを話すなかから、無意識の中にある葛藤を意識の上に引き出し、その意味を理解していくことで症状の改善を目指します。したがって、正しいのは精神分析療法です。
ほかの療法は、無意識の葛藤を明らかにすることを主な目的としていません。支持的精神療法は励ましや安心づけで患者を支え、認知行動療法は考え方と行動のくせを修正し、森田療法は不安をあるがままに受け入れ、来談者中心療法は傾聴と受容で患者自身の成長を促します。
無意識の葛藤なら精神分析、考え方の修正なら認知行動療法、あるがままなら森田療法、受容と共感なら来談者中心療法、と鍵となる言葉で覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1支持的精神療法:支持的精神療法は、患者の話を受け止め、励ましや助言、安心づけによって、その人がもともと持つ力を支える方法です。無意識の葛藤を掘り下げて明らかにすることを目的としていません。
- 3認知行動療法:認知行動療法は、物事の受け取り方(認知)のゆがみや行動のくせに気づき、より適応的な考え方や行動に変えていく方法です。現在の考え方と行動に働きかけるもので、無意識の葛藤を探りません。
- 4森田療法:森田療法は森田正馬が始めた日本独自の精神療法で、不安や症状を取り除こうとせず、あるがままに受け入れながら目の前の行動をしていくことを重視します。葛藤を明らかにする方法ではありません。
- 5来談者中心療法:来談者中心療法はRogersが始めた方法で、治療者が共感的に理解し、無条件に受け入れることで、本人が自ら成長し問題を解決していく力を引き出します。無意識の解釈は行いません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問79(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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