第59回 午前 問36
臨床医学
熱傷部位の皮膚で正しいのはどれか。
- 1壊死組織は赤色を呈する。
- 2Ⅲ度熱傷は汗腺まで達しない。
- 3Ⅰ度熱傷部位は植皮術を要する。
- 4感染を伴うと植皮の生着が阻害される。
- 5植皮後は知覚が回復してから運動を開始する。
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✓ これが正解4感染を伴うと植皮の生着が阻害される。
解説
熱傷部に感染があると、植皮した皮膚が生着しにくくなります。
熱傷は、皮膚がどの深さまで傷んだかで分けます。Ⅰ度は表皮だけの傷で、赤くなってひりひりしますが、跡を残さず治ります。Ⅱ度は真皮まで達し、水ぶくれができます。Ⅲ度は皮膚の全層が傷み、汗腺や毛根も失われるため、自然に皮膚が再生しにくく、植皮術(ほかの部位の皮膚を移すこと)が必要になることが多くなります。
植皮した皮膚は、移した先の組織から新しい血管が伸びてきて栄養を受け、生着します。感染があると、細菌や炎症のために血管の伸びが妨げられたり、移した皮膚が溶けたりして生着がうまくいきません。そのため熱傷の治療では感染の予防がとても大切で、感染を伴うと植皮の生着が阻害されるという記述が正しいものです。
ほかの記述は、壊死した組織の色、深い熱傷が達する層、浅い熱傷の治り方、植皮後に運動を始める時期のどれかが誤っています。覚え方は、Ⅰ度は表皮で自然に治る、Ⅲ度は全層で付属器もなく植皮が必要、植皮の敵は感染、と深さと治療を組にしておくことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1壊死組織は赤色を呈する。:壊死した組織は血流がなくなるため、黒色や白色、黄色っぽく見えるのがふつうです。赤色は血流が保たれた組織や、治りかけの肉芽の色で、壊死組織の色ではありません。
- 2Ⅲ度熱傷は汗腺まで達しない。:Ⅲ度熱傷は皮膚の全層が傷つく深い熱傷で、真皮の中にある汗腺や毛根まで失われます。汗腺まで達しないのは、もっと浅い熱傷の場合です。
- 3Ⅰ度熱傷部位は植皮術を要する。:Ⅰ度熱傷は表皮だけの浅い傷で、数日のうちに跡を残さず自然に治ります。植皮術が必要になるのは、皮膚が再生しにくい深い熱傷の場合です。
- 5植皮後は知覚が回復してから運動を開始する。:植皮のあとは、皮膚が生着したことを確かめたら、拘縮を防ぐために早めに運動を始めます。知覚の回復には長い時間がかかるため、それを待っていると関節が固まってしまいます。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問36(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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