第60回 午後 問64
生理学
嫌気性解糖で正しいのはどれか。
- 1TCA回路が利用される。
- 2ミトコンドリア内で行われる。
- 3供給エネルギーの持続時間は約15秒である。
- 4グルコースはピルビン酸から乳酸に変換される。
- 5グルコース1分子から4分子のATPが得られる。
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✓ これが正解4グルコースはピルビン酸から乳酸に変換される。
解説
嫌気性解糖では、グルコースからできたピルビン酸が乳酸に変わります。
筋がエネルギー(ATP)を作る仕組みには、クレアチンリン酸を使う系、酸素を使わずにグルコースを分解する解糖系(嫌気性解糖)、酸素を使ってミトコンドリアで大量のATPを作る有酸素系の3つがあります。嫌気性解糖は短い時間に強い力を出すときに働く仕組みです。
嫌気性解糖では、細胞質でグルコースがいくつかの段階を経てピルビン酸まで分解されます。酸素が十分でないと、ピルビン酸はミトコンドリアへは入らず、乳酸に変えられます。この変換によって、解糖を続けるのに必要な物質が再生されます。この記述が正しいものです。
他の記述は誤りです。TCA回路は酸素を使う有酸素系の段階で、ミトコンドリアの中で行われます。嫌気性解糖は細胞質で行われます。数秒〜十秒程度の短い運動を主に支えるのはクレアチンリン酸の系で、解糖系はそれより長い時間の運動を支えます。グルコース1分子から作られるATPは4分子ですが、途中で2分子を使うので、正味で得られるのは2分子です。
したがって、正しい記述はピルビン酸から乳酸に変換されるという肢です。細胞質で行い、酸素を使わず、正味2分子のATP、と3点で覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1TCA回路が利用される。:TCA回路(クエン酸回路)は、ピルビン酸をミトコンドリアに取り込み、酸素を使って大量のATPを作る有酸素系の段階です。酸素を使わない嫌気性解糖では利用されません。
- 2ミトコンドリア内で行われる。:嫌気性解糖は、細胞の中の液体の部分である細胞質で行われます。ミトコンドリアの中で行われるのは、TCA回路や電子伝達系などの有酸素系の段階です。
- 3供給エネルギーの持続時間は約15秒である。:最も短い時間の強い運動を支えるのは、クレアチンリン酸を使ってすばやくATPを作る系です。嫌気性解糖はそれに続いて働く仕組みで、持続時間をこの値とするのは合いません。
- 5グルコース1分子から4分子のATPが得られる。:解糖の過程でATPは4分子作られますが、はじめの段階で2分子を使うので、正味で得られるのは2分子です。4分子が得られるという記述は、使った分を差し引いていません。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問64(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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