令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問5
プロジェクトの資源
ホーソン効果に関する問題
ホーソン効果の,システム開発プロジェクトにおける例として,適切なものはどれか。
- ア開発サイクルごとの成果物のレビューで,ある開発チームの成果物がプロダクトオーナーに注目されたことによって,その開発チームの士気が上がり,その後の生産性が向上した。
- イ開発チーム別の進捗報告会で,遅れを報告したチームは優秀なチームだったので,遅れは挽回可能であるという報告を信用したが,次の進捗報告で遅れが拡大した。
- ウ結合テストで3件の誤りが検出され,そのうちの2件の誤りが同一のモジュールに起因していたので,残りの1件もそのモジュールに起因していると思い込んで調査したが,そのモジュールから誤りは検出できなかった。
- エ全ての利用者が満足するUIを開発するという達成困難な目標を開発チームに対して設定したので,開発チームの士気が下がり,その後の生産性が低下した。
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✓ これが正解ア開発サイクルごとの成果物のレビューで,ある開発チームの成果物がプロダクトオーナーに注目されたことによって,その開発チームの士気が上がり,その後の生産性が向上した。
解説
注目されたことで士気と生産性が上がった例が、ホーソン効果です。
ホーソン効果は、人が周囲から注目されていると意識することで意欲が高まり、行動や成果が良い方向へ変わる現象です。見分ける軸は、注目や関心を向けられたことが成果の向上の原因になっているかどうかです。成果物のレビューで、ある開発チームの成果物がプロダクトオーナーの目に留まり、それをきっかけに士気が上がって生産性が向上した例は、この形にそのまま当てはまります。評価する側の思い込みや判断の偏り、無理な目標による士気の低下は、注目による向上とは仕組みが別です。見られている意識が人を伸ばす、と覚えておくと、事例の中から選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ開発チーム別の進捗報告会で,遅れを報告し…:優秀なチームだという印象に引きずられ、遅れは挽回できるという報告をそのまま信じた例です。一つの目立つ特徴が他の評価までゆがめるハロー効果に当たり、注目されたチームの成果が上がる現象ではありません。
- ウ結合テストで3件の誤りが検出され,そのう…:同じモジュールが原因の誤りが続いたことから、残りもそうだと思い込んで調べた例です。自分の見立てに合う方向ばかりを探る確証バイアスのような判断の偏りであり、注目による意欲の向上とは関係がありません。
- エ全ての利用者が満足するUIを開発するとい…:達成が難しすぎる目標を課されて士気が下がり、生産性が落ちた例です。目標設定のまずさが成果を悪くしたもので、周囲からの注目で意欲が高まり成果が上がる現象とは、原因も結果の向きも違います。
この問題の用語
- プロジェクトある目的のために期間を決めて行う、一回限りの活動。決算処理のように同じ手順を繰り返す定常業務とは区別されます。
- レビュー決めたことや作ったものを、あらためて見直すことをいいます。設計書やプログラムの誤りを早く見つけるために、関係者で行うことが多いです。
- テスト決めたとおりに動くかを、実際に動かして確かめる作業のこと。何を確かめるかによって移行テスト、システムテストなどと呼び分けます。
出典:令和7年度 秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問5
同じ用語が出る問題
- 令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問11:JIS Q 21500の問題(レビュー)
- 令和5年度 秋期 午前Ⅱ 問13(レビュー)
- 令和4年度 秋期 午前Ⅱ 問13:品質評価指標に関する問題(レビュー)
- 令和2年度 10月 午前Ⅱ 問11:好機に関する問題(レビュー)
- 平成31年度 春期 午前Ⅱ 問19:事業関係管理に関する問題(レビュー)
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