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令和7年度 問1

民法

注意義務まで求められないもの

次の事例のうち、民法の規定によれば、善良な管理者としての注意義務まで求められないものはどれか。

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✓ これが正解4Aが、同居していたAの父Bが生前所有していた家屋甲にBの死亡後も継続居住しているが相続は放棄している。この場合における、相続人又は相続財産の清算人に引き渡すまでのAの甲についての注意義務。

解説

相続放棄者の保存義務は、自己の財産と同一の注意で足ります。

民法は、他人の物を預かったり管理したりする人の注意の程度を場面ごとに分けています。原則は善良な管理者の注意(善管注意義務。その人の立場や職業から一般に求められる程度の注意)で、例外として、自己の財産におけるのと同一の注意(自分の物を扱うのと同じ程度の、より軽い注意)で足りる場面が条文で定められています。

宅配品を頼まれずに預かる場面は、義務なく他人のために事務を管理する事務管理にあたり、管理者には善管注意義務があると解されています。修理代金が払われるまで自動車を返さない場面は留置権の行使で、民法298条1項が留置権者に善良な管理者の注意で留置物を占有するよう求めています。無償で移転登録手続を引き受ける場面は委任で、民法644条は報酬の有無で区別せずに受任者へ善管注意義務を課しています。

これに対し、相続を放棄した者がその時に相続財産を現に占有している場面について、民法940条1項は、相続人又は相続財産の清算人に引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって保存すればよいと定めています。父の家屋に住み続けているAはこの場面にあたるので、善管注意義務までは求められません。

無償でも委任は善管注意、軽い注意で足りるのは相続放棄者や無報酬の受寄者など条文が特に定めた場面だけ、と整理すると見分けやすくなります。

ほかの選択肢はなぜ違うのか

出典:令和7年度 管理業務主任者試験(一般社団法人マンション管理業協会)問1

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