平成29年度 問16
会計・税務
管理組合の活動に係る税務の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1消費税法上、消費税の納税義務者は事業者とされ、法人格を有しない管理組合及び管理組合法人は納税義務者とはならない。
- 2消費税法上、管理組合が、組合員との駐車場使用契約に基づき収受した使用料は、課税取引として課税対象となる。
- 3消費税法上、管理組合の支出のうち、火災保険料等の損害保険料は、課税取引として課税対象となる。
- 4法人税法上、管理組合法人が、その共用部分を携帯電話基地局設置のために通信事業者に賃貸することは、収益事業に該当する。
答えと解説を見る
✓ これが正解4法人税法上、管理組合法人が、その共用部分を携帯電話基地局設置のために通信事業者に賃貸することは、収益事業に該当する。
解説
基地局のための共用部分の賃貸は、収益事業の不動産貸付業にあたります。
この問は、消費税法と法人税法の管理組合への当てはめで判断します。管理組合法人は、法人税法の適用について公益法人等とみなされ(区分所有法第47条第13項)、収益事業から生じた所得にだけ法人税が課されます。国税庁の質疑応答事例は、マンション管理組合が移動体通信業者と賃貸借契約を結び、屋上に携帯電話基地局を設置させて対価を得る場合について、収益事業たる不動産貸付業に該当するとしています。したがって、収益事業に該当するとする記述が最も適切です。
消費税の記述は、いずれも当てはめが違います。消費税法は、人格のない社団等を法人とみなして適用し(第3条)、管理組合法人も消費税法の適用上は法人として扱われます(区分所有法第47条第14項)。どちらも事業者として納税義務者になり得るので、納税義務者とはならないとする記述は誤りです。組合員との駐車場使用契約による使用料は、組合員が管理組合の構成員として負担するもので、課税取引とはされません。損害保険料は、消費税が課されない非課税の取引に含まれます。
外部に建物の一部を貸して対価を得れば収益事業、組合員から受ける使用料は内部の負担、保険料は非課税、と分けて考えると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1消費税法上、消費税の納税義務者は事業者とされ、法人格を有しない管理組合及び管理組合法人は納税義務者とはならない。:法人格のない管理組合も消費税法では法人として扱われ、管理組合法人も同様です。外部への貸付けなどで課税売上げがあれば納税義務者になり得るので、どちらも納税義務者にならないとする記述は適切ではありません。
- 2消費税法上、管理組合が、組合員との駐車場使用契約に基づき収受した使用料は、課税取引として課税対象となる。:組合員が借りる駐車場の使用料は、組合員が管理組合の構成員として負担するもので、外部の人との取引とは性格が異なります。課税取引には当たらないものとして扱われるので、課税対象とする記述は適切ではありません。
- 3消費税法上、管理組合の支出のうち、火災保険料等の損害保険料は、課税取引として課税対象となる。:火災保険料などの損害保険料は、国税庁の案内でも非課税となる取引の一つに挙げられている保険料にあたります。消費税は課されないので、課税取引として課税対象となるとする記述は適切ではありません。
出典:平成29年度 管理業務主任者試験(一般社団法人マンション管理業協会)問16
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)