第38回 問題84
認知症の理解
次の記述のうち,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)の説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1古い記憶から障害され,徐々に新しい記憶も障害される。
- 2認知機能が変動することが特徴的である。
- 3ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の障害は,重度期以降に認められる。
- 4見当識障害は,中期以降に認められる。
- 5記憶障害は,初期から認められる。
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✓ これが正解5記憶障害は,初期から認められる。
解説
アルツハイマー型認知症では、記憶障害が初期から現れます。
アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が少しずつ壊れて脳が萎縮していく病気で、認知症の原因として最も多いものです。記憶に関わる海馬のあたりから萎縮が始まるため、最初に目立つのは、新しいことを覚えられない記憶障害です。症状はゆっくりと進んでいきます。
進行の目安として、初期には少し前の出来事を忘れる記憶障害や、日付や時間が分からなくなる時間の見当識障害が現れます。中期には場所の見当識障害や、着替えや入浴などの日常生活動作の障害が目立つようになり、後期には人の見当識障害や、歩く、食べるといった基本的な動作の障害も現れます。
正しいのは、記憶障害は初期から認められるという記述です。古い記憶から障害される、認知機能が日によって大きく変動する、日常生活動作の障害は重度期以降、見当識障害は中期以降、という記述は、いずれもアルツハイマー型認知症の経過とは合いません。
覚え方は、アルツハイマー型は新しい記憶から失われ、記憶と時間の見当識は初期から、とひと組で押さえることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1古い記憶から障害され,徐々に新しい記憶も障害される。:アルツハイマー型認知症では、新しい出来事を覚えることが先に難しくなり、昔の思い出は比較的後まで保たれます。古い記憶から先に失われるという順序は、実際の経過とは逆です。
- 2認知機能が変動することが特徴的である。:認知機能が日や時間帯によって大きく変わるのは、レビー小体型認知症の特徴とされています。アルツハイマー型認知症は、大きな波が少なく、ゆるやかに進行していくのが一般的です。
- 3ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の障害は,重度期以降に認められる。:着替えや入浴、排泄などの日常生活動作の障害は、中期(中等度)のころから目立ち始めます。重度期になって初めて現れるものではなく、介護が必要になる場面は中期から増えていきます。
- 4見当識障害は,中期以降に認められる。:見当識障害のうち、日付や時間が分からなくなる時間の見当識障害は、初期から現れることが多いとされます。その後、場所、さらに人の見当識が障害されていくという順で進みます。
出典:第38回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題84。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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