第38回 問題47
生活支援技術
Aさん(80歳,女性,要介護3)は,介護老人福祉施設で生活している。食事は見守りのもとでほぼ自力で摂取しているが,嚥下機能は低下してきている。医師からは,食事摂取に配慮するように指導されている。ある日の昼食中,Aさんは食事を1/3ほど食べたところで箸を止め,表情がこわばり,呼吸もやや浅くなった。
次の記述のうち,介護福祉職が医療職に報告すると同時に,最初に行う対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1血圧を測定する。
- 2口腔の状況を観察する。
- 3口すぼめ呼吸を促す。
- 4その場で仰臥位(背臥位)になってもらう。
- 5すぐに薬を服用してもらう。
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✓ これが正解2口腔の状況を観察する。
解説
食事中の急な異変では、まず口の中に食べ物が残っていないか確かめます。
決め手は、嚥下機能が低下しているAさんが、食事の途中で箸を止め、表情がこわばり、呼吸がやや浅くなったという様子です。食事中にこうした変化が急に現れたときは、食べ物が喉に詰まりかけている、または気管に入りかけている可能性をまず考えます。
その場合に命に関わるのは、空気の通り道がふさがれることです。そのため、医療職へ知らせると同時に、口の中に食べ物がたまっていないかを確かめます。血圧の測定、呼吸法の指導、横に寝かせること、薬を飲ませることは、いずれも空気の通り道の確認より後に回すべきものか、状態を悪くしかねないものです。
したがって正しいのは、口腔の状況を観察する対応です。口の中に食べ物が残っていれば、取り除くなどの対応を医療職とともに判断する手がかりになり、残っていなければ別の原因を考える材料になります。
食事中の急変では、まず口と喉、つまり空気の通り道を確かめる、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1血圧を測定する。:血圧は全身の状態を知る目安になりますが、測るのに時間がかかり、食べ物が詰まっている場合の対処にはなりません。食事中の急変では、測定より先に空気の通り道を確かめることが優先されます。
- 3口すぼめ呼吸を促す。:口すぼめ呼吸は、慢性的な呼吸器の病気がある人が息を吐きやすくするための方法です。喉に食べ物が残っているかもしれない場面で呼吸の仕方を指導しても、原因の確認にも解消にもなりません。
- 4その場で仰臥位(背臥位)になってもらう。:あおむけに寝かせると、口や喉に残った食べ物が奥へ落ち込み、気道をさらにふさぐおそれがあります。食べ物が詰まった疑いがあるときは、寝かせる前に口の中を確かめることが先です。
- 5すぐに薬を服用してもらう。:どの薬をいつ飲むかは医師の指示に基づくもので、介護福祉職が急変時に判断して飲ませることはできません。また、飲み込みが難しくなっている状態で口に物を入れると、誤嚥の危険を高めます。
出典:第38回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題47。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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