第36回 問題122
総合問題
次の事例を読んで,問題120から問題122までについて答えなさい。
〔事 例〕
Eさん(34歳,女性,障害支援区分3)は,特別支援学校の高等部を卒業後,週2回,生活介護を利用しながら自宅で生活している。Eさんはアテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(cerebral palsy)で不随意運動があり,首を振る動作が見られる。
食事は首の動きに合わせて,自助具を使って食べている。食事中は不随意運動が強く,食事が終わると,「首が痛い,しびれる」と言ってベッドに横になるときがある。
また,お茶を飲むときは取っ手つきのコップで飲んでいるが,コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきた。日頃から自分のことは自分でやりたいと考えていて,お茶が上手に飲めなくなってきたことを気にしている。
Eさんは,生活介護事業所で油絵を描くことを楽しみにしている。以前から隣町の油絵教室に通い技術を高めたいと話していた。そこでEさんは,「自宅から油絵教室に通うときの介助をお願いするにはどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。
介護福祉職は,Eさんが隣町の油絵教室に通うことができるようにサービスを提案したいと考えている。
次のうち,Eさんが利用するサービスとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1自立生活援助
- 2療養介護
- 3移動支援
- 4自立訓練
- 5同行援護
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✓ これが正解3移動支援
解説
余暇活動のための外出を支える移動支援が適しています。
事例の決め手は、Eさんが隣町の油絵教室に通いたいと考え、自宅から教室へ通うときの介助をお願いしたいと相談していることです。つまり、余暇活動や社会参加のための外出時の移動を支えるサービスが必要です。
移動支援は、障害者総合支援法の地域生活支援事業として市町村が行う事業の一つで、屋外での移動が困難な障害者等の外出を支援します。社会参加のための外出も対象になるため、油絵教室に通うEさんの外出の支援として最も適しています。
同行援護も外出を支えるサービスですが、視覚障害により移動に著しい困難がある人を対象としており、脳性麻痺のEさんには当てはまりません。ほかの選択肢は、外出時の介助を目的としたサービスではありません。
見分け方として、外出時の支援を問われたら、視覚障害のある人なら同行援護、余暇や社会参加の外出を市町村の事業で支えるなら移動支援、と区別しましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1自立生活援助:自立生活援助は、障害者支援施設やグループホームなどから一人暮らしに移った人に、定期的な訪問や相談によって地域での生活を支えるサービスです。外出の際の移動を介助するものではありません。
- 2療養介護:療養介護は、医療と常時の介護を必要とする人に、病院などで機能訓練や療養上の管理、看護などを行うサービスです。Eさんが希望する油絵教室への外出を支えるものではありません。
- 4自立訓練:自立訓練は、自立した日常生活や社会生活を送れるよう、一定期間、身体機能や生活能力の向上のための訓練を行うサービスです。教室に通うときの移動の介助を受けるためのサービスではありません。
- 5同行援護:同行援護は、視覚障害によって移動に著しい困難がある人に、外出時に同行して移動に必要な情報の提供や移動の援護などを行うサービスです。視覚障害についての記述がないEさんには当てはまりません。
出典:第36回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題122。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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