第111回 午前 問21
保健統計学
労働力率に関する問題
平成14年(2002年)と令和4年(2022年)の労働力調査における女性の年齢階級別労働力率の推移を示す。令和4年(2022年)のM字カーブの底が、平成14年(2002年)と比較して浅くなっている現象の説明で正しいのはどれか。
女性の年齢階級別労働力率の推移(原典は図。折れ線グラフの各年齢階級の値(%)を書き写した。平成14年は破線・▲、令和4年は実線・●):
- 15~19歳: 平成14年 16.7、令和4年 20.8
- 20~24歳: 平成14年 70.8、令和4年 75.6
- 25~29歳: 平成14年 71.8、令和4年 87.7
- 30~34歳: 平成14年 60.3、令和4年 80.6
- 35~39歳: 平成14年 62.4、令和4年 76.9
- 40~44歳: 平成14年 70.5、令和4年 81.5
- 45~49歳: 平成14年 72.4、令和4年 81.9
- 50~54歳: 平成14年 67.7、令和4年 80.7
- 55~59歳: 平成14年 58.1、令和4年 75.8
- 60~64歳: 平成14年 39.2、令和4年 64.0
- 65歳以上: 平成14年 13.2、令和4年 18.4
- 1完全失業率の上昇
- 2女性管理職の割合の増加
- 3非正規雇用者の割合の増加
- 4有配偶者の労働力率の上昇
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✓ これが正解4有配偶者の労働力率の上昇
解説
M字カーブの底が浅くなったのは有配偶者の労働力率の上昇によります。
日本の女性の年齢階級別労働力率は、結婚や出産・子育ての時期に仕事を離れる人が多いため、20歳代後半から30歳代で落ち込み、その後再び上がるM字型の曲線を描いてきました。グラフでは、平成14年は30〜34歳が60.3%で谷になっていますが、令和4年は同じ年齢階級が80.6%まで上がり、谷がかなり浅くなっています(出題当時の最新の公表値)。
この変化の主な要因は、結婚や出産の後も仕事を続ける女性が増えたこと、つまり有配偶者の労働力率の上昇です。育児休業制度の整備や保育の受け皿の拡充などにより、子育て期にも働き続けられる環境が広がってきました。したがって、有配偶者の労働力率の上昇が、M字カーブの底が浅くなった現象の説明として正しいものです。
労働力率は、15歳以上の人口に占める労働力人口(就業者と完全失業者)の割合です。働く人や働こうとする人の割合が増えれば谷は浅くなる、という向きで各記述を確かめると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1完全失業率の上昇:完全失業率は、労働力人口のうち仕事を探しているのに就業していない人の割合です。失業率が上がることは働く場が減ることを意味し、子育て期の女性が働き続けるようになった変化の説明にはなりません。
- 2女性管理職の割合の増加:女性管理職の割合の増加は、働く女性の職場での地位の変化を示すものです。管理職は働く女性のごく一部であり、子育て期の年齢層全体の労働力率を押し上げてM字の谷を浅くした要因とはいえません。
- 3非正規雇用者の割合の増加:非正規雇用者の割合の増加は、働き方の内訳が変わったことを表すものです。雇用形態の構成が変わっても、それだけで働く人の割合が増えたことにはならず、谷が浅くなった説明として合いません。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問21(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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