第111回 午前 問22
個人・家族・集団・組織の支援
妊娠届出に関する問題
Aさん(30歳、女性、アルバイト)は、1人暮らし。妊娠8週で妊娠届出のために、保健センターに来所した。「子どもは産みたいけれど、パートナーとは連絡がとれず出産費用や育児が心配」と話す。実父母は車で1時間のところに住む。本人は、10歳代から気分障害があり精神科クリニックに通院し状態は落ち着いている。地区担当保健師のAさんへの支援で、最初に行うのはどれか。
- 1出産や育児の準備状況を聞き、援助関係を形成する。
- 2通院先の精神科クリニックと連携する。
- 3出産予定の産婦人科医院と連携する。
- 4経済的支援の相談窓口を紹介する。
- 5Aさんの実父母との調整を行う。
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✓ これが正解1出産や育児の準備状況を聞き、援助関係を形成する。
解説
最初は出産・育児の準備状況を聞き、援助関係を形成します。
妊娠届出の場面は、保健師が妊婦と出会う最初の機会です。Aさんは1人暮らしで、パートナーと連絡がとれず、出産費用や育児への不安を話しており、気分障害で通院中でもあります。支援の必要性が高い妊婦であり、出産後まで続く継続的な支援が欠かせません。
継続して関わるためには、まずAさんが安心して困りごとを話せる関係をつくることが出発点です。Aさん自身が出産や育児の準備をどう考え、何に困っているかを聞き取ることで、必要な支援の優先順位も見えてきます。本人の思いを確かめないまま関係機関や家族に連絡すると、Aさんが不信感をもち、相談をやめてしまうおそれもあります。したがって、出産や育児の準備状況を聞き、援助関係を形成することが最初に行う支援です。
医療機関との連携、経済的支援の紹介、実父母との調整は、関係ができ、本人の意向を確かめたうえで進める支援です。最初に行うものを問われたら、本人との関係づくりと情報収集が先、と覚えましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2通院先の精神科クリニックと連携する。:精神科クリニックとの連携は必要になる可能性がありますが、Aさんの同意を得て進めるものです。本人の思いや状況を確かめる前に通院先へ連絡すると、信頼関係を損なうおそれがあります。
- 3出産予定の産婦人科医院と連携する。:産婦人科医院との連携も今後の支援に役立ちますが、Aさんの困りごとや希望を把握してから、本人の了解のもとで行います。最初の面接で真っ先に行う対応ではありません。
- 4経済的支援の相談窓口を紹介する。:出産費用の心配に対して経済的支援の窓口を紹介することは大切です。ただ、どの制度が合うかはAさんの状況を詳しく聞いて初めて判断できるため、紹介はその後になります。
- 5Aさんの実父母との調整を行う。:実父母は近くに住む支援者になりえますが、Aさんが家族の協力をどう考えているかはまだ分かりません。本人の意向を確かめずに調整を始めるのは、最初の対応として適しません。
出典:第111回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問22(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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