第110回 午後 問40
公衆衛生看護活動展開論
介護予防事業に関する問題
次の文を読み39~41の問いに答えよ。
人口5万人のA市は中心地にマンションが増え、山間部は古い日本家屋が立ち並んでいる。高齢者人口割合は33 %で、今後も増加すると見込まれている。要介護状態となる者の割合が年々増加しており、他市に比べても高いことから、保健師は、A市の高齢者の実態を明らかにした上で、新たな介護予防事業を検討することにした。
介護が必要となった原因を全国および県と比較したところ「骨折」の割合が高いことが分かった。そこで、特定健康診査受診時の問診で「この1年間に転んだことがある」と回答した65歳以上の高齢者に聞き取り調査を行うことにした。
聞き取り調査の内容で最も適切なのはどれか。
- 1転倒した場所
- 2食事の摂取内容
- 3同居家族の有無
- 4骨粗しょう症検診の受診の有無
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✓ これが正解1転倒した場所
解説
転倒予防の手掛かりとして、転倒した場所を聞き取ります。
地域診断から見えた課題を事業につなげるには、その課題がなぜ起きているのかを具体的に探る情報を集める必要があります。A市では介護が必要になった原因として骨折の割合が全国や県より高く、その多くは転倒がきっかけと考えられるため、転倒がどこでどのように起きているかを明らかにすることが、予防策を考える近道になります。
A市は、中心地にはマンションが増え、山間部には古い日本家屋が立ち並ぶという住環境の特徴をもっています。決め手は、この地域特性が転倒の起こり方に関わっている可能性が高い点です。古い家屋の段差や暗い廊下、屋外の坂道など、転倒した場所を聞き取れば、住宅改修の支援、屋外の環境整備、筋力を保つ運動教室など、どの方向の事業が必要かを判断できます。したがって、転倒した場所が最も適切な調査内容です。食事の内容や同居家族の有無、骨粗しょう症検診の受診状況も関連はありますが、転倒そのものの起こり方を直接示す情報ではありません。
聞き取り調査の項目は、課題が起きる場面を具体的に描ける情報かどうかで選ぶと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2食事の摂取内容:食事の摂取内容は、骨や筋肉の健康に関わる情報ですが、転倒がどのような環境や場面で起きているかは分かりません。転倒の起こり方を探る聞き取りとしては、優先度が下がります。
- 3同居家族の有無:同居家族の有無は、転倒後の生活や見守りの体制を考えるときの情報です。転倒が起きる原因や場所を明らかにするものではないため、転倒予防の事業を検討する聞き取りの中心にはなりません。
- 4骨粗しょう症検診の受診の有無:骨粗しょう症検診の受診の有無は、骨折しやすさへの対策を考える手掛かりにはなります。しかし、高齢者がどこでどのように転んでいるかという転倒そのものの起こり方は、この情報からは見えてきません。
出典:第110回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問40(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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