第110回 午後 問39
公衆衛生看護活動展開論
介護予防事業に関する問題
次の文を読み39~41の問いに答えよ。
人口5万人のA市は中心地にマンションが増え、山間部は古い日本家屋が立ち並んでいる。高齢者人口割合は33 %で、今後も増加すると見込まれている。要介護状態となる者の割合が年々増加しており、他市に比べても高いことから、保健師は、A市の高齢者の実態を明らかにした上で、新たな介護予防事業を検討することにした。
新たな介護予防事業を検討するために収集する情報で最も適切なのはどれか。
- 1特定健康診査の結果
- 2介護サービス施設・事業所調査の結果
- 3要介護認定者の介護サービスの利用状況
- 4基本チェックリストによる生活機能評価の結果
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✓ これが正解4基本チェックリストによる生活機能評価の結果
解説
介護予防事業の検討には、基本チェックリストの結果が適します。
新たな介護予防事業を考えるときは、まだ介護が必要になっていない高齢者が、どの機能で、どの程度弱り始めているかを把握することが大切です。介護予防は、要介護状態になる前の段階で生活機能の低下に気付き、早めに手を打つ取り組みだからです。
基本チェックリストは、65歳以上の高齢者を対象に、運動機能、栄養、口腔機能、閉じこもり、認知機能、うつといった生活機能を簡単な質問で確かめる道具です。A市の高齢者全体について、どの領域でリスクのある人が多いかを読み取れるので、介護予防事業の対象や内容を決める根拠になります。決め手は、A市の高齢者の実態を明らかにしたうえで新たな介護予防事業を検討するという設問の目的に、最も合う情報である点です。したがって、基本チェックリストによる生活機能評価の結果が最も適切です。特定健康診査は40歳から74歳までの生活習慣病の予防が主な目的で、施設・事業所の調査や要介護認定者のサービス利用状況は、すでに介護が必要な人の側の情報です。
介護予防の対象は要介護になる前の高齢者なので、その人たちの生活機能を測る情報を選ぶと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1特定健康診査の結果:特定健康診査は、40歳から74歳までを対象に、メタボリックシンドロームに着目して生活習慣病を予防するための健診です。高齢者の運動機能や口腔機能、閉じこもりなど、介護予防に必要な生活機能は把握できません。
- 2介護サービス施設・事業所調査の結果:介護サービス施設・事業所調査は、全国の介護サービスの施設や事業所の数や従事者などを把握する統計です。A市の高齢者一人ひとりの生活機能の状態は分からず、介護予防事業の検討材料には向きません。
- 3要介護認定者の介護サービスの利用状況:要介護認定者の介護サービスの利用状況は、すでに介護が必要になった人の情報です。介護予防事業の対象となる、まだ要介護状態ではない高齢者の弱り始めの状態は、この情報からは読み取れません。
出典:第110回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問39(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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