第110回 午後 問8
個人・家族・集団・組織の支援
家庭訪問に関する問題
Aさん(70歳、男性)は定年退職後、年金の給付を受けて、妻と2人で暮らしている。2年前にParkinson〈パーキンソン〉病と診断された。Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅢとなり、Aさんの妻が医療費助成の申請のため保健所に来所した。その際に家庭訪問の日時を約束し、保健師が訪問したところ、Aさんは「入浴や通院のときに不安を感じることがあるが、何とか自分のことは1人でできている」と話した。初回訪問時の情報収集で優先度が高いのはどれか。
- 1住環境
- 2家族関係
- 3経済状況
- 4病院への通院方法
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✓ これが正解1住環境
解説
入浴や通院に不安があるので、まず住環境を確かめます。
パーキンソン病の療養者への初回訪問では、病期の特徴と本人の訴えから、生活上の危険が大きいところを優先して確かめます。Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類のステージⅢは、姿勢を立て直す反射が弱まり(姿勢反射障害)、転びやすくなる一方で、日常生活はおおむね自分でできる段階とされます。
Aさんは、入浴や通院のときに不安を感じることがあるが、何とか自分のことは1人でできていると話しています。決め手は、自立している今の生活を続けるうえで転倒が最大の危険になっている点です。浴室や脱衣所、玄関や屋内の段差、手すりの有無、通路の広さといった住環境を確かめれば、転倒の危険を具体的に見積もり、住宅改修や福祉用具の導入など早めの手立てにつなげられます。家族関係、経済状況、通院方法も大切ですが、本人の訴えと病状から見て、最初の訪問で優先するのは住環境です。
初回訪問の優先度は、病期で起こりやすい危険と本人の訴えが重なるところを探すと決めやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2家族関係:妻は医療費助成の申請に来所しており、夫婦で協力して療養に向き合っている様子がうかがえます。家族関係も把握は必要ですが、転倒の危険が差し迫った課題である初回訪問では優先度が下がります。
- 3経済状況:年金で生活しており、医療費助成の申請も進んでいるので、経済状況の把握は急ぎの課題とはいえません。ステージⅢで転倒の危険が高まる時期には、生活の場の安全を先に確かめることが大切です。
- 4病院への通院方法:通院時の不安は語られていますが、通院方法だけを尋ねても家の中での入浴時の危険は把握できません。浴室や段差など生活の場全体を見て転倒の危険を確かめることが先になります。
出典:第110回 保健師国家試験 午後(厚生労働省)問8(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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