第112回 午前 問24
個人・家族・集団・組織の支援
通いの場に関する問題
Aさん(85歳、女性)は通いの場に継続して参加している。保健師はAさんから「耳の聞こえが悪く、にぎやかな中では聞き返してばかりで皆に迷惑をかけるから、通いの場への参加を辞めることを考えている」と相談を受けた。保健師がAさんへ最初に行う声かけで最も適切なのはどれか。
- 1「補聴器を購入しましょう」
- 2「聞こえづらさに悩まれつらい状況だったのですね」
- 3「少人数で開催している別の通いの場を紹介しますね」
- 4「80代になれば誰しも耳の聞こえは悪くなりますよね」
- 5「通いの場の皆さんに大きな声で話してもらうよう依頼します」
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✓ これが正解2「聞こえづらさに悩まれつらい状況だったのですね」
解説
まず聞こえづらさに悩んできた気持ちを受け止める声かけをします。
相談を受けたときの最初の声かけは、解決策を示すことより、相手の気持ちを受け止めることが基本です。相談者は、自分のつらさを理解してもらえたと感じることで安心し、本当の思いや困りごとを話しやすくなります。この関係ができてから、一緒に解決策を考える段階に進みます。
Aさんは耳の聞こえが悪く、にぎやかな場で聞き返してばかりなのを申し訳なく思い、通いの場を辞めることまで考えています。継続して参加してきた場を辞めようとするほど悩んでいるので、まずその気持ちを受け止める共感的な声かけが必要です。補聴器の購入や別の通いの場の紹介、参加者への依頼は、Aさんの思いを確かめる前に保健師が解決策を決めてしまうことになります。年齢のせいだと一般化する言い方も、Aさんのつらさを軽く扱うことになります。
したがって、聞こえづらさに悩まれてつらい状況だったのですね、という声かけが最も適切です。最初の一言は気持ちの受け止め、解決策はその後と覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1「補聴器を購入しましょう」:補聴器の購入は聞こえの問題への対応の一つですが、まだ聞こえの程度も受診の状況も分かっていません。気持ちを受け止める前に解決策を決めつけることになり、最初の声かけには向きません。
- 3「少人数で開催している別の通いの場を紹介しますね」:少人数の通いの場を紹介することは、のちの選択肢にはなりえます。しかし今の場を続けたいかどうかなど、Aさんの思いを確かめる前に別の場を勧めることになり、最初の声かけとしては早すぎます。
- 4「80代になれば誰しも耳の聞こえは悪くなりますよね」:誰でも年をとれば聞こえが悪くなると一般化する言い方は、Aさん個人のつらさを軽く扱うことになります。悩みを受け止めたことにはならず、相談しにくくさせるおそれがあります。
- 5「通いの場の皆さんに大きな声で話してもらうよう依頼します」:皆に大きな声で話してもらうよう依頼することは、Aさんの同意を得ないまま保健師が対応を決めることになります。迷惑をかけたくないというAさんの思いにも反するおそれがあります。
出典:第112回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問24(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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