第110回 午前 問43
個人・家族・集団・組織の支援
集いの場に関する問題
次の文を読み41~43の問いに答えよ。
A市には高度経済成長期に建設された100戸ほどの集合住宅がある。急な坂の上にあり、近年、高齢化が進んでいる。先日、集合住宅の1人暮らし高齢者が自宅で亡くなっている状態で発見された。集合住宅を含むこの地域の自治会長が会議で保健センターに来所した際に「亡くなった高齢者はほとんど人付き合いがなく、自宅で閉じこもっていたようです。二度とこのようなことが起こらないように、自治会でも何かできないでしょうか」と相談した。
保健センターの保健師は、改めてこの集合住宅を含む地域についてアセスメントを行うことにした。
自治会長から「自治会が中心となって開催している既存の体操教室を、閉じこもりを予防するための定期的な集いの場にも活用したいと考えています。円滑に進めるために気を付けることはありますか」と保健師に相談があった。保健師が最初に助言する内容はどれか。
- 1「運営に携わる人で集いの場の目的を共有しましょう」
- 2「集いの場で必要となる経費を算出しておきましょう」
- 3「集いの場の年間計画を立てておきましょう」
- 4「開催案内のチラシを作成しましょう」
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✓ これが正解1「運営に携わる人で集いの場の目的を共有しましょう」
解説
既存の場を活用する前に、運営者で集いの場の目的を共有します。
自治会長は、既存の体操教室を、閉じこもりを予防するための定期的な集いの場にも活用したいと考えています。体操という目的で集まっていた場に新しい役割を加えるため、運営に関わる人たちの間で、なぜそうするのか、どんな人に来てほしいのかという考えがそろっていないと、運営の方針がぶれたり、一部の人だけに負担がかかったりして、活動がうまく続きません。
住民主体の活動を支援するとき、最初に大切なのは、関わる人どうしで目的を共有し、同じ方向を向いて取り組めるようにすることです。目的が共有されていれば、だれを誘うか、どんな内容にするか、どれだけ費用が必要か、といった具体的なことも話し合いやすくなります。そのため、保健師が最初に助言するのは、運営に携わる人で集いの場の目的を共有することです。
必要な経費の算出、年間計画の作成、開催案内のチラシの作成は、いずれも集いの場を実際に動かすうえで必要になる準備ですが、目的が共有された後に、その目的に沿って進める段階のことです。最初の助言としては順序が早すぎます。
住民の活動の立ち上げでは、目的の共有、計画、準備、広報の順で進める、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2「集いの場で必要となる経費を算出しておきましょう」:経費の算出は、活動を続けるために欠かせない準備です。ただ、どんな目的で何をするかが運営者の間で決まっていない段階では、必要な費用を見積もることも難しくなります。
- 3「集いの場の年間計画を立てておきましょう」:年間計画は、活動の目的と内容が定まってから、その実現に向けて立てるものです。運営者の考えがそろわないまま計画をつくると、計画どおりに進めることが難しくなります。
- 4「開催案内のチラシを作成しましょう」:チラシで参加を呼びかけるのは、目的や内容、対象が決まった後の広報の段階です。何のための集いの場なのかが共有されていない時点で作っても、伝える中身が定まりません。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問43(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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