第110回 午前 問12
公衆衛生看護活動展開論
養護教諭の対応で適切なの
Aさん(8歳、男児)は保健室に来て「家で転んだ」と訴えた。養護教諭は前腕部に内出血を認めたため原因を尋ねると、説明が二転三転した。このときの養護教諭の対応で適切なのはどれか。
- 1身体測定の記録を確認する。
- 2保護者に内出血の原因を尋ねる。
- 3保健室から校長に電話で報告する。
- 4他の部位に外傷がないかを確認する。
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✓ これが正解4他の部位に外傷がないかを確認する。
解説
説明の変わる外傷では、まず他の部位の外傷を確かめます。
8歳の児童が、前腕の内出血について家で転んだと説明しながら、尋ねるたびに説明が変わっています。けがの説明があいまいで一貫しないことは、身体的虐待を疑う手がかりの1つです。学校の教職員は、児童虐待防止法第5条により、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、早期発見に努めることが求められています。
虐待が疑われるときに、養護教諭がまず行うのは、子どもの体の状態を丁寧に観察して事実を把握することです。前腕のほかにも、新旧の混じったあざややけどなど、別の部位に外傷がないかを確かめることは、虐待の可能性を判断し、記録して校内で共有するための基本になる情報です。
身体測定の記録の確認は体重の増え方などを見る参考にはなりますが、目の前の外傷についての情報を集めることより優先度は低くなります。保護者に原因を直接尋ねると、虐待をしている場合に子どもへの圧力や事実の隠ぺいにつながるおそれがあります。校長への報告は欠かせませんが、外傷の確認をして事実をまとめたうえで、組織として対応するために行うものです。
虐待が疑われる場面では、観察と記録で事実をつかむことを最初に置く、と覚えておくとよいでしょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1身体測定の記録を確認する。:身体測定の記録から体重の推移などを見ることは、ネグレクトなどを考える手がかりにはなります。しかし、今まさに目の前にある外傷の状態を確かめることよりも優先する対応ではありません。
- 2保護者に内出血の原因を尋ねる。:虐待が疑われる場面で保護者に直接原因を問いただすと、子どもが家で責められたり、事実が隠されたりするおそれがあります。学校として対応を決める前に養護教諭が単独で行う対応ではありません。
- 3保健室から校長に電話で報告する。:校長への報告は組織で対応するために必要ですが、まず外傷の状態を観察して事実を整理してから行うものです。確認をせずに保健室から電話で伝えるのは、最初の対応として適切とはいえません。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問12(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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