第110回 午前 問11
個人・家族・集団・組織の支援
3歳児健康診査に関する問題
Aちゃんは、3歳児健康診査で発語が単語のみであり、名前を呼んでも振り向かず、視線も合わず、コミュニケーションが難しかった。Aちゃんの母親によると自宅では視聴覚の問題はないとのことであった。保健師は発達相談ができる遊びの場を紹介したが、母親は「マイペースな子なので、特に心配していません」と強い口調で利用を拒否した。このときの保健師の対応で最も適切なのはどれか。
- 1「Aちゃんは発達に問題があります」
- 2「Aちゃんを専門医に診てもらいませんか」
- 3「発達障害をもつ児の親の会に行ってみませんか」
- 4「しばらくしたらAちゃんに会いにご自宅に伺ってもいいですか」
答えと解説を見る
✓ これが正解4「しばらくしたらAちゃんに会いにご自宅に伺ってもいいですか」
解説
拒否する母親と関係を保ち、後日の家庭訪問で支援を続けます。
3歳児健康診査で、発語が単語のみ、呼んでも振り向かない、視線が合わないなど、発達の遅れや偏りが疑われる様子が見られています。保健師は遊びの場を紹介しましたが、母親は強い口調で利用を拒否しました。この場面で大切なのは、母親が子どもの状態をまだ受け止めきれていない段階にあると理解し、関係を切らさずに支援を続けられる道を残すことです。
しばらくしてから自宅に会いに行ってよいかと尋ねる対応は、母親の今の気持ちを否定せず、子どもの成長を一緒に見守る姿勢を示しながら、継続して関わる約束を取りつけるものです。家庭訪問で家庭での子どもの様子や母親の思いを知ることができ、次の支援につなげる機会になります。
一方、発達に問題があると言い切る、専門医の受診を勧める、親の会への参加を勧めるという対応は、いずれも子どもに障害がある前提で話を進めるものです。拒否している母親に急いで次の段階を示すと、反発を強め、保健師との関係そのものが途切れるおそれがあります。
支援を拒む保護者には、まず関係を保ち、継続して関われる機会をつくることを優先する、と覚えておくとよいでしょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1「Aちゃんは発達に問題があります」:健診の場面の観察だけで発達に問題があると断定するのは、診断にあたることを保健師が告げることになります。受け止めきれていない母親をさらに追い詰め、関係を壊すおそれがあります。
- 2「Aちゃんを専門医に診てもらいませんか」:専門医の受診は、いずれ必要になる可能性があります。ただ、遊びの場さえ強く拒んだ母親にすぐ受診を勧めると、障害を前提にしていると受け取られやすく、拒否が強まるおそれがあります。
- 3「発達障害をもつ児の親の会に行ってみませんか」:発達障害をもつ児の親の会の紹介は、子どもに障害があることを前提にした提案です。子どもの状態を受け止める前の段階の母親にとっては受け入れにくく、この時点では早すぎます。
出典:第110回 保健師国家試験 午前(厚生労働省)問11(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)