2023年5月 (特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問60
相続・事業承継
民法における配偶者居住権の問題
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民法における配偶者居住権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1配偶者居住権の存続期間は、原則として、被相続人の配偶者の終身の間である。
- 2被相続人の配偶者は、取得した配偶者居住権を譲渡することができる。
- 3被相続人の配偶者は、居住建物を被相続人と被相続人の子が相続開始時において共有していた場合であっても、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができる。
- 4被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始時において居住していなかった場合であっても、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができる。
答えと解説
✓ これが正解1配偶者居住権の存続期間は、原則として、被相続人の配偶者の終身の間である。
解説
配偶者居住権の存続期間は、原則として配偶者の終身の間です。
この問は、2020年4月に施行された民法の配偶者居住権について、存続期間、譲渡の可否、成立の要件を問うものです。
配偶者居住権は、被相続人の配偶者が、相続開始時に住んでいた被相続人所有の建物に、無償で住み続けることができる権利です。存続期間は、原則として配偶者の終身の間で、遺産分割協議や遺言などで別に定めた場合はその期間になります。したがって、原則として終身の間とする記述が適切です。
ほかの記述は不適切です。配偶者居住権は、配偶者が住み続けるための権利なので、他人に譲渡することはできません。居住建物を被相続人が配偶者以外の人(子など)と共有していた場合は、配偶者居住権を取得できません。また、配偶者が相続開始時にその建物に住んでいたことが要件なので、住んでいなかった建物について取得することはできません。
配偶者居住権は、住んでいた家に一生住み続けるための本人だけの権利、と考えると、譲渡できないことや居住の要件も自然に導けます。
ほかの選択肢の解説
- 2被相続人の配偶者は、取得した配偶者居住権を譲渡することができる。:配偶者居住権は、残された配偶者が住む場所を確保するために認められる、配偶者本人だけの権利です。他人に売ったり譲ったりすることはできないので、譲渡できるとする記述は誤りです。
- 3被相続人の配偶者は、居住建物を被相続人と被相続人の子が相続開始時において共有していた場合であっても、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができる。:配偶者居住権は、建物が被相続人の単独所有か、被相続人と配偶者の共有である場合に成立します。被相続人と子が共有していた建物では、子の持分に負担をかけることになるため取得できません。
- 4被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始時において居住していなかった場合であっても、当該建物に係る配偶者居住権を取得することができる。:配偶者居住権を取得できるのは、相続が始まった時点で、その被相続人所有の建物に実際に住んでいた配偶者です。住んでいなかった建物について取得できるとする記述は、成立の要件を欠いています。
出典:2023年5月 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験(特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会・一般社団法人金融財政事情研究会)問60(改変:肢の番号をそろえ、表・図を文字に書き写して加工)。解説は当サイト独自のもので、日本FP協会・金融財政事情研究会とは関係ありません。
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