平成28年度 秋期 午前 問80
企業と法務
コンピュータウイルスを用いて,企業で使用されているコンピュータの記憶内容を消去する行為を処罰の対象とする法律はどれか。
- ア刑法
- イ製造物責任法
- ウ不正アクセス禁止法
- エプロバイダ責任制限法
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✓ これが正解ア刑法
解説
記録を消す行為そのものを処罰するのは刑法です。
コンピュータの中に記録されているデータを、ウイルスを使って消してしまう行為は、他人の物を壊すことと同じ側に置かれています。刑法が処罰の対象としているのは、データの改ざんや消去といった、中身そのものに手を加える行為です。一方で、入ってはいけない場所へ入り込むこと自体を取り締まる法律は別に用意されていて、両者は受け持つ範囲が分かれています。今回問われているのは記録を消す行為ですから、当たるのは刑法でした。判定の軸は、その法律が罰しているのが、入り込むことなのか、中身を壊すことなのかです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ製造物責任法:製造物責任法を挙げています。引き渡された製造物の欠陥によって生じた損害について、誰がどう責任を負うかを定める法律でした。記録を消す行為そのものを処罰するために使われるものではありません。
- ウ不正アクセス禁止法:不正アクセス禁止法を挙げています。この法律が一律に犯罪としているのは、ネットワークへの侵入や、アクセス制御のための符号を提供するといった行為でした。入り込むことと、中の記録を壊すことは別に扱われます。
- エプロバイダ責任制限法:プロバイダ責任制限法を挙げています。情報のやり取りを仲介する事業者が負う責任の範囲などを定めるもので、向いている先が事業者の側でした。ウイルスで記録を消した人を処罰する法律ではありません。出題当時はプロバイダ責任制限法という名称でした。その後の改正で、情報流通プラットフォーム対処法に改められています。
この問題の用語
- 刑法犯罪と刑罰を定めた法律のこと。Webページの改ざんによる業務妨害や、虚偽の情報で不正送金させる行為もこの法律で罰せられます。
- 不正アクセス禁止法不正アクセスと、その手助けや、他人の識別符号(IDやパスワード)を不正に手に入れる行為を禁じた法律。入り込む前の行為も対象に含みます。
- ウイルスほかのプログラムに入り込んで増える、不正なプログラムです。単独で動くトロイの木馬や、自ら広がるワームとは区別されます。
- プロバイダ責任制限法掲示板などでの権利侵害について、事業者の責任の範囲を定めた法律です。侵害を知らずに放置した場合は、賠償の責任が制限されます。
出題当時の情報です(現在との違い)
プロバイダ責任制限法は、2025年4月の改正法施行で「情報流通プラットフォーム対処法」に改称されました(出題時は旧称)。
出典:平成28年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問80
同じ用語が出る問題
- 平成30年度 秋期 午前 問78(プロバイダ責任制限法)
- 平成28年度 秋期 午前 問43:ビヘイビア法に分類されるもの(ウイルス)
- 平成27年度 春期 午前 問79:コンピュータウイルスに関する問題(刑法)
- 平成23年度 特別 午前 問80:不正アクセス禁止法に関する問題(不正アクセス禁止法)
- 平成21年度 秋期 午前 問79(プロバイダ責任制限法)
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