令和6年度 秋期 午前Ⅱ 問15
情報セキュリティ
楕円曲線暗号に関する記述
楕円曲線暗号に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- アAESに代わる共通鍵暗号方式としてNISTが標準化している。
- イ共通鍵暗号方式であり,デジタル署名にも利用されている。
- ウ公開鍵暗号方式であり,TLSにも利用されている。
- エ素因数分解問題の困難性を利用している。
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✓ これが正解ウ公開鍵暗号方式であり,TLSにも利用されている。
解説
楕円曲線暗号は公開鍵暗号方式で、TLSにも使われています。
楕円曲線暗号は、楕円曲線上の点の演算を使う公開鍵暗号方式です。楕円曲線上の離散対数問題を解くことが難しいという性質を安全性の根拠にしています。同じ程度の安全性を、RSA より短い鍵で実現できるため、処理や記憶の負担が小さく、組込み機器にも向いています。鍵交換やデジタル署名に使われ、TLS の通信でも鍵の共有やサーバの認証に利用されています。見分けるときは、共通鍵か公開鍵か、どの数学的な問題の難しさを使っているかの二つを確かめます。楕円曲線暗号は公開鍵の仲間で、離散対数の難しさを使う、RSA は素因数分解の難しさを使う、と対にして覚えておくと区別できます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アAESに代わる共通鍵暗号方式としてNIS…:AES は共通鍵暗号方式で、楕円曲線暗号はその代わりとなる共通鍵の方式ではありません。楕円曲線暗号は公開鍵暗号方式であり、AES とは役割が異なります。
- イ共通鍵暗号方式であり,デジタル署名にも利…:楕円曲線暗号は、秘密鍵と公開鍵の組を使う公開鍵暗号方式です。デジタル署名に使われる点は合っていますが、共通鍵暗号方式だとしている点が誤りです。
- エ素因数分解問題の困難性を利用している。:大きな数を素数の積に分けることが難しいという性質に頼るのは、RSA 暗号のほうです。楕円曲線暗号が安全性のよりどころにしているのは曲線上の点の演算に関する別の問題なので、この記述は二つの方式を取り違えています。
この問題の用語
- 楕円曲線暗号短い鍵の長さで、高い安全性を得られる公開鍵暗号の方式です。同じ強さで比べると、RSA暗号より鍵が短くて済みます。
- 公開鍵暗号方式「公開鍵暗号」と同じ意味です。配ってよい鍵と隠す鍵を対にして使うやり方を、手順として言うときにこの言い方をします。
- TLS通信の中身を途中で読まれたり書き換えられたりしないよう、暗号にして届ける取り決め。つないだ相手が本物かも確かめます。
- AES暗号化と復号に同じ鍵を使う共通鍵暗号の方式で、決まった長さごとに区切って処理します。処理が速く、通信やデータ本体の暗号化に使われます。
- 共通鍵暗号方式「共通鍵暗号」と同じ意味です。同じ鍵を送る側と受け取る側の双方が持つやり方を、手順として言うときにこの言い方をします。
- デジタル署名送り主が本人であることと、途中で中身が変わっていないことを同時に示す電子の印(古い表記はディジタル署名)。秘密鍵で作り、公開鍵で確かめます。
- 素因数分解大きな数を、かけ合わせのもとになる素数へ分けることです。これが非常に難しいことを利用したのが、RSA暗号です。
出典:令和6年度 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問15
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前Ⅱ 問16:DNSSECに関する問題(デジタル署名)
- 令和4年度 秋期 午前Ⅱ 問18:ネットワーク層に関する問題(TLS)
- 令和2年度 10月 午前Ⅱ 問17:楕円曲線暗号に関する記述(素因数分解)
- 平成30年度 春期 午前Ⅱ 問19:共通鍵暗号方式に関する問題(楕円曲線暗号)
- 平成25年度 春期 午前Ⅱ 問19:共通鍵暗号方式に関する問題(AES)
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