令和6年度上期第三種電気主任技術者試験 法規(電気技術者試験センター)問12(a)
法規
直列リアクトルに関する問題
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三相3線式の高圧電路に300 kW,遅れ力率0.6の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし,直列リアクトルSRのリアクタンスXL[Ω]は,三相コンデンサSCのリアクタンスXC[Ω]の6 %とするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,高圧電路の線間電圧は6 600 Vとし,無効電力によって電圧は変動しないものとする。
(a) 進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したときに三相コンデンサSCの端子電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 16 410
- 26 795
- 36 807
- 46 995
- 57 021
答えと解説
✓ これが正解57 021
解説
端子電圧は6 600÷(1−0.06)=7 021 Vで、電路より高くなります。
図のように、進相コンデンサ設備は、直列リアクトルSRと三相コンデンサSCを直列につないだもので、6 600 Vの高圧電路に三相負荷と並列に接続されています。直列リアクトルは、コンデンサに流れる高調波電流を抑えるなどの目的で入れるリアクトルです。誘導性のリアクタンスX_Lと容量性のリアクタンスX_Cは働きが逆向きなので、直列にした合成リアクタンスはX_C−X_Lになります。
1相分で考えます。相電圧をE=6 600÷√3 V、設備に流れる電流をIとすると、I=E÷(X_C−X_L)です。X_L=0.06X_Cなので、合成は0.94X_Cです。コンデンサの相電圧は E_C=I×X_C=E×X_C÷(0.94X_C)=E÷0.94 です。線間電圧で表しても比は同じなので、三相コンデンサの端子電圧(線間)は V_C=6 600÷0.94=7 021 Vです。
検算として電圧の向きで確かめます。リアクトルにかかる電圧はコンデンサの電圧と逆向きで、大きさはその6 %です。電路の電圧は V_C−0.06V_C=0.94V_C となり、0.94×7 021=6 600 Vで、問の線間電圧に戻ります。
このように直列リアクトルを入れると、コンデンサの端子電圧は電路の電圧より高くなります。リアクトルが6 %なら1÷0.94=1.064倍、と覚えておくと選べます。
ほかの選択肢の解説
- 16 410:6 600を√1.06で割ると6 410 Vになりますが、リアクタンスの比を平方根で扱う根拠はありません。しかも端子電圧は電路の電圧より高くなるはずで、6 600 Vを下回る値は向きが逆です。
- 26 795:6 600に√1.06を掛けると6 795 Vです。直列回路の電圧はリアクタンスの比で分かれるので平方根は出てこず、電路の電圧を0.94で割って求めます。
- 36 807:6 600を√0.94で割ると6 807 Vになります。合成リアクタンスを0.94X_Cとする考え方は合っていますが、電圧はリアクタンスに比例するので、平方根を取らずに0.94で割ります。
- 46 995:6 995 Vは、6 600×1.06=6 996 Vにほぼ当たる値で、リアクトル分の6 %を電路の電圧に上乗せする考え方です。コンデンサの電圧は電路の電圧を0.94で割った値なので、上乗せは6 %ではなく約6.4 %になります。
出典:令和6年度上期第三種電気主任技術者試験 法規 問12(a)(電気技術者試験センター)。1問ずつ解ける形に加工しています(B問題の共通の文と図を小問ごとに複写・図と式を問題冊子から切り出して画像で掲載・1行で書ける式を字に書き直し)。解説は当サイト独自のもので、電気技術者試験センターとは関係ありません。
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