令和6年度上期第三種電気主任技術者試験 法規(電気技術者試験センター)問11(b)
法規
電圧降下に関する問題
選択肢を押すと、その場で答え合わせ。電験三種の過去問 400問を、解説つき・無料・登録不要で続けて解けます。
変電所から三相3線式1回線の専用配電線で受電している需要家がある。この配電線路の電線1条当たりの抵抗及びリアクタンスの値は,それぞれ3 Ω及び5 Ωである。この需要家の使用電力が8 000 kW,負荷の力率が0.8(遅れ)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(b) 需要家にコンデンサを設置して,負荷の力率を0.95(遅れ)に改善するとき,この配電線の電圧降下の値[V]の,コンデンサ設置前の電圧降下の値[V]に対する比率[%]の値として,最も近いのは次のうちどれか。ただし,この需要家の受電電圧[kV]は,コンデンサ設置前と同一の20 kVとする。
- 166.6
- 268.8
- 375.5
- 481.7
- 597.0
答えと解説
✓ これが正解268.8
解説
改善後の電圧降下は1 857 Vで、2 700 Vの68.8 %になります。
コンデンサを設置しても、有効電力8 000 kWと受電電圧20 kVは変わりません。力率が0.95に上がると線電流が減り、無効分も小さくなるので、電圧降下が減ります。(a)と同じ近似式 v=√3I(Rcosθ+Xsinθ)を使います。(a)では、改善前の線電流は288.7 A、電圧降下は2 700 Vと求めました。
改善後の線電流は、I'=8 000×10³÷(√3×20×10³×0.95)=243.1 Aです。sinθ'=√(1−0.95²)=√0.0975=0.3122なので、R cosθ'+X sinθ'=3×0.95+5×0.3122=2.85+1.561=4.411 Ωです。電圧降下は、v'=√3×243.1×4.411=1 857 Vです。
比率は、1 857÷2 700×100=68.8 %です。
検算として、v=(P÷V)×(R+Xtanθ)の形でも求めます。改善前は400×(3+5×0.75)=2 700 V、改善後は tanθ'=0.3122÷0.95=0.3287 なので、400×(3+5×0.3287)=400×4.643=1 857 Vです。比率は同じ68.8 %になります。有効電力と電圧が変わらないので、比率は(R+Xtanθ)の比だけで決まることも分かります。
力率改善では、電流そのものが減る効果と、sinθが小さくなる効果の両方が電圧降下に効く、と押さえると取り違えません。
ほかの選択肢の解説
- 166.6:66.6 %は正しい比の68.8 %より小さい値です。改善後の電流243.1 Aとsinθ'=0.3122を正しく入れると、電圧降下は√3×243.1×4.411=1 857 Vで、改善前の2 700 Vとの比は68.8 %となり、66.6 %にはなりません。
- 375.5:75.5 %は正しい比の68.8 %より大きい値です。有効電力と電圧が同じなので比は(3+5tanθ)の比で決まり、4.643÷6.75=68.8 %となって、75.5 %にはなりません。
- 481.7:電流を改善前の288.7 Aのまま据え置き、カッコ内だけを5.4 Ωから4.411 Ωに変えると、4.411÷5.4=81.7 %になります。力率が上がれば同じ電力でも電流が0.8/0.95倍に減る点が抜けています。
- 597.0:電流が力率に比例して0.95/0.8倍に増えると取り違え、81.7 %に0.95÷0.8を掛けると97.0 %になります。実際は有効電力が同じなので、電流は力率に反比例して減ります。
出典:令和6年度上期第三種電気主任技術者試験 法規 問11(b)(電気技術者試験センター)。1問ずつ解ける形に加工しています(B問題の共通の文と図を小問ごとに複写・図と式を問題冊子から切り出して画像で掲載・1行で書ける式を字に書き直し)。解説は当サイト独自のもので、電気技術者試験センターとは関係ありません。
同じ分野の問題
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)