令和6年度上期第三種電気主任技術者試験 機械(電気技術者試験センター)問16(b)
機械
時定数に関する問題
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図1 は,IGBT を用いた単相ブリッジ接続の電圧形インバータを示す。直流電圧Ed [V]は,一定値と見なせる。出力端子には,インダクタンスL [H]で抵抗値R [Ω]の誘導性負荷が接続されている。この電圧形インバータの出力電圧v₀,出力電流i₀ が図2 のようになった。インバータの動作モードを図2 に示す①~④として本モードは周期T [s]で繰り返されるものとする。なお,上下スイッチの短絡を防ぐデッドタイムは考慮しない。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(b) 電源電圧Ed が100 V,インダクタンスL を2 mH とし,抵抗R を1 Ωとすると,区間①②の電流は-Ip [A]からIp [A]まで時定数τ [s]で増加する。τ に最も近い値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 10.001
- 20.002
- 30.003 2
- 40.006 3
- 50.02
答えと解説
✓ これが正解20.002
解説
時定数はτ=L/R=2×10⁻³/1=0.002 sです。
抵抗 R とインダクタンス L を直列にした回路に一定の電圧を加えると、電流は指数関数に従って最終値に近づきます。その変化の速さを表すのが時定数 τ=L/R で、電流が変化を始めた点で引いた接線が最終値に届くまでの時間に当たります。図2で、区間①の始めの電流の立ち上がりに引いた破線の接線と τ[s]の矢印が、この意味を表しています。
区間①②では出力電圧が Ed=100 V の一定値なので、電流は -Ip から最終値に向かって指数関数的に変化します。その時定数は電源電圧に関係なく L と R だけで決まります。L=2 mH=2×10⁻³ H、R=1 Ω なので、τ=L/R=2×10⁻³/1=2×10⁻³ s=0.002 s です。
単位で確かめます。インダクタンスの単位 H は V・s/A、抵抗の単位 Ω は V/A なので、L/R の単位は V・s/A を V/A で割った s となり、時間の単位になります。数値も接頭語 m=10⁻³ を使って 2×10⁻³ s で、0.002 s と同じ値に着きます。
時定数は電圧の大きさによらず L/R で決まる、と押さえておくと、Ed=100 V のような数値に惑わされずに済みます。
ほかの選択肢の解説
- 10.001:0.001 s は正しい時定数 L/R=0.002 s のちょうど半分で、一致しません。時定数は L と R だけで決まり、電流が -Ip から Ip まで変化することや電源電圧の値によって半分になることはありません。
- 30.003 2:0.003 2 s は、正しく求めた 0.002 s と一致しません。L=2×10⁻³ H と R=1 Ω から求まる時定数は 0.002 s で、電源電圧 100 V や図の周期 T は時定数の計算には入りません。
- 40.006 3:0.006 3 s は、L/R=0.002 s に π を掛けた約 0.006 28 s に当たる値ですが、RL 直列回路の時定数の式に π は入りません。周波数や角速度を扱う式と混同しないようにします。
- 50.02:0.02 s は正しい時定数 0.002 s の10倍です。L=2 mH は 2×10⁻³ H なので、接頭語 m を 10⁻³ として扱えば、L/R は 0.002 s になります。
出典:令和6年度上期第三種電気主任技術者試験 機械 問16(b)(電気技術者試験センター)。1問ずつ解ける形に加工しています(B問題の共通の文と図を小問ごとに複写・図と式を問題冊子から切り出して画像で掲載・1行で書ける式を字に書き直し)。解説は当サイト独自のもので、電気技術者試験センターとは関係ありません。
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