令和5年度 秋期 午前 問65
システム企画
要求事項に関する問題
システム開発の成果物が利害関係者の要件(要求事項)を満たしているという客観的な証拠を得るための検証手法として,JIS X 0166:2021(システム及びソフトウェア技術-ライフサイクルプロセス-要求エンジニアリング)では,インスペクション,分析又はシミュレーション,デモンストレーション,テストを挙げている。これらのうち,成果物となる文書について要件(要求事項)への遵守度合いを検査するものはどれか。
- アインスペクション
- イテスト
- ウデモンストレーション
- エ分析又はシミュレーション
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✓ これが正解アインスペクション
解説
動かさずに読んで検査する手法を選びます。
設問は、成果物が利害関係者の要件を満たしているという客観的な証拠を得るための検証手法のうち、成果物となる文書について要件への遵守度合いを検査するものを選ばせています。手掛かりは、設問が対象を文書に限っている点です。ですから軸は、その手法が動く実物を必要とするかどうかという一点になります。文書は実行できないので、確かめる手立ては読むことしかありません。正解のインスペクションは、あらかじめ決めた観点に沿って成果物を目で検査し、要件の一つひとつについて、その記述で満たされているかを突き合わせるやり方です。実物ができる前の段階で当てられるため、設計の誤りを早い時点で見つけられるという利点があります。公式な進め方では、読み手や記録係、司会といった役割を決め、あらかじめ読んだうえで会に臨みます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イテスト:入力を与えて出力が期待どおりかを見るやり方で、実行できる成果物がそろって初めて当てられます。文書そのものは動かせないため、この方法を当てる相手になりません。
- ウデモンストレーション:利用者の前で運用の手順どおりに操作してみせ、その場で要件を満たすことを示すやり方です。証拠になるのは動いたという観察であり、やはり動く実物が必要な点で、記述を突き合わせる検査とは異なります。
- エ分析又はシミュレーション:実物を作らずに、数式やモデルを使って性能や挙動を見積もるやり方です。当てる相手は計算や模型であって、文書の記述が要件に沿っているかを一つずつ確かめる検査ではありません。
この問題の用語
- 利害関係者決定や活動に影響を与える、または影響を受ける人や組織のこと。利用者や株主、取引先などが含まれ、ステークホルダとも呼ばれます。
- 証拠あとから事実を確かめられるように残した記録のこと。法的な場面で使えるように集めて保管し調べる手順を、デジタルフォレンジックスと呼びます。
- 分析集めたデータを細かく分けて、何がどう関わっているかを読み取ること。量が増えるほど、扱う道具も考え方も変わります。
- テスト決めたとおりに動くかを、実際に動かして確かめる作業のこと。何を確かめるかによって移行テスト、システムテストなどと呼び分けます。
出典:令和5年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問65
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 春期 午前 問59:システム監査における“監査手続”(証拠)
- 令和5年度 春期 午前 問64:トレーサビリティに関する問題(利害関係者)
- 令和4年度 秋期 午前 問59:システム監査における“監査手続”(証拠)
- 令和3年度 秋期 午前 問58:システム管理基準(平成30年)(利害関係者)
- 平成27年度 秋期 午前 問43:デジタルフォレンジックスの問題(証拠)
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