令和元年度 秋期 午前 問58
システム監査
クラウドサービスに関する問題
クラウドサービスの導入検討プロセスに対するシステム監査において,クラウドサービス上に保存されている情報の消失の予防に関するチェックポイントとして,最も適切なものはどれか。
- ア既存の社内情報システムとの ID の一元管理の可否が検討されているか。
- イクラウドサービスの障害時における最大許容停止時間が検討されているか。
- ウクラウドサービスを提供する事業者に信頼が置け,かつ,事業やサービスが継続して提供されるかどうかが検討されているか。
- エクラウドサービスを提供する事業者の施設内のネットワークに,暗号化通信が採用されているかどうかが検討されているか。
答えと解説を見る
✓ これが正解ウクラウドサービスを提供する事業者に信頼が置け,かつ,事業やサービスが継続して提供されるかどうかが検討されているか。
解説
任せる相手の信頼と、事業やサービスの続きが見られているかを問います。
クラウドサービスに情報を預けて任せる形のシステム監査では、情報がなくなる恐れをどこで防いでいるかを見ます。任せる相手そのものが信頼に足るかどうか、事業やサービスがこの先も続けて提供されるかどうか、が見どころになります。相手の側で事業が続かなくなれば、預けた情報の取り出し口も断たれ、結果として情報を失う道が開きます。だから、契約に入る前の見立ての段でこの点が検討されているかを問うのが、情報の消失を先んじて防ぐための要点になります。他の見どころは、消えないようにするための道からは外れています。手元の仕組みと入り口の仕組みを揃える話は、便利さや管理の手間の側にあたります。止まってしまう時間の上限を決める話は、動きの止まる時間そのものへの備えです。通信を暗号化する話は、途中で覗かれない側の対策です。いずれも情報の消失を先んじて防ぐ軸の直下ではありません。要点は、任せる相手の続きの側に置かれます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア既存の社内情報システムとの ID の一元…:手元の仕組みと入り口の仕組みを、まとめて管理できるかを検討しているかと述べています。便利さや管理の手間の側の見どころであり、任せた情報が消える道を先んじて塞ぐという軸の直下ではありません。目的が別の側です。
- イクラウドサービスの障害時における最大許容…:止まってしまう時間の上限を検討しているかと述べています。動きの止まる時間そのものへの備えの側にあたる話であり、預けた情報が失われる道を防ぐ軸とは、狙う恐れが別の枠に置かれています。時間の話です。
- エクラウドサービスを提供する事業者の施設内…:施設内のネットワークで通信を暗号化しているかを検討しているかと述べています。途中で覗かれない側の話にあたり、預けた情報が消える恐れを防ぐ軸とは、扱う恐れの種類が違います。運び方の秘密の側の点検です。
この問題の用語
- クラウドサービス自社で設備を持たず、事業者が用意したものをネットワーク越しに借りて使う形。借りる範囲によって、SaaS、PaaS、IaaSなどに分かれます。
- システム監査情報システムが安全で正しく使われているかを、担当から独立した立場で点検し報告すること。直すべきところを見つけて伝えます。
- 情報システム業務に必要なデータを集め、処理し、伝えるための仕組み全体です。コンピュータや通信網だけでなく、それを使う人や業務の手順も含みます。
- 暗号化内容を鍵がなければ読めない形に変換すること。通信の経路だけでは守りきれない場合があるので、ファイル自体にも施します。
出典:令和元年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問58
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問59:監査人が行うフォローアップ(システム監査)
- 令和7年度 秋期 午前 問42:CSPMに関する問題(クラウドサービス)
- 令和7年度 春期 午前 問63:プロビジョニングの説明(クラウドサービス)
- 令和7年度 春期 午前 問59:システム監査における“監査手続”(システム監査)
- 令和7年度 春期 午前 問56:IaaSに関する問題(クラウドサービス)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)